魚はとれたてが本当にうまいのか

自宅で実験 ワラサ・マダイ・マグロは3日目でもおいしいか

生け締め初日のワラサ。身には透明感があり、押し返してくるような歯応えがあるが、味は薄い

詳しい途中経過は別表に譲るが、最も変化が分かりやすかったのはワラサで、初日と3日目ではほとんど別物。当初の歯応えがなくなっていくにつれ、味は濃くなった。

ワラサほど顕著ではないが、マダイも時間の経過とともに身が凝縮し、味わいが増した印象。当初、薄味だったマグロも3日目にしてもっともうまみが出た。

とはいっても、うまさの尺度は人それぞれ。大手鮮魚チェーンの中島水産(東京・中央)によると「東日本では熟成によるうまみが評価されるのに対し、西日本では歯応えが求められる」という。


3日目の朝。血合いの変色がみられるが、身質は軟らかくなり、味は濃くなる

東京の鮮魚店で組織する東京魚商業協同組合(東京・中央)の伊佐宏和・青年部連合会会長は「どこを食べごろととらえるかは好みの問題も大きいが、一般論として養殖物は天然物に比べてもともと身が軟らかいので、早めのタイミングがいい」と助言する。

魚ごとの特性などを魚屋さんに聞きながら、好みのタイミングを見つけるのが得策だ。だが、鮮魚店の立場からすれば、うまみが増すと分かっていても、血合いの色変わりが早いブリやワラサの賞味期限を延ばすのは難しい。色変わりしても品質には問題なく、気になる人は血合いを削ればいいだけなのだが、このあたりの判断は自己責任となる。

マグロはしょうゆたっぷりで ワサビを溶くのはNG

熟成で引き出した魚のうまみを一段と増幅するカギを握るのがしょうゆの使い方だ。長山さんは「脂が多い魚は多め、白身は少なめが基本。しょうゆとの相性が特にいいのはマグロで、表面積がなるべく大きくなるよう斜めに切り、たっぷりつけて食べるのがいい」と勧める。

ちなみにワサビを最初からしょうゆに溶いておくのはNG。ワサビの繊細な香りや甘み、うまみがしょうゆに消されてしまうためで、別々に使ってこそ双方が生きる。

時間のかかる熟成に比べ、ずっと手軽に実践できるしょうゆを使ったうまみの増強。歓迎会や花見といった宴席が増えるこのシーズン。話のネタに試してみてはいかがだろう?(商品部 吉野浩一郎)

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