2013/11/26

本日入荷 おいしい話

甲州地どりの砂肝、ブロイラーの4~5倍

放し飼いで育て、ブロイラーの倍以上の約120日で出荷される「甲州地どり」(山梨県笛吹市)

うんちくを仕入れた後は地鶏の生産現場を訪ねてみた。新宿から特急で約1時間半の山梨県笛吹市。同県を代表する地鶏「甲州地どり」の農場だ。同県で改良したシャモと家畜改良センター兵庫牧場(同県たつの市)で改良した白色ロックを掛け合わせてできた銘柄で、25年前に出荷を始めた。

山間の農場ではシャモに似た気の強そうな鶏たちが鶏舎の中と外を自由に歩き回っていた。ただ、近くに寄るとサッと離れていく。農場を案内してくれた甲州地どり生産組合の担当者は「屋根のない場所で放し飼いだから空からワシにおそわれたり、小さな穴を掘ったキツネに狙われることもあります」と地鶏ならではの苦労話をしてくれた。

農場から車で15分ほどの場所には「甲州地どり市場」がある。甲州地どりの生鮮肉のほかプリンなどの加工品も扱っている。組合の代表理事、加藤政彦さんがもも肉やささみなどの様々な部位を見せてくれたが、驚いたのは砂肝。赤ちゃんの拳ほどの大きさがあり、一般のブロイラーの4~5倍はあるだろう。地面のエサを探して小石を食べてしまうためだ。

店内では甲州地どりの肉を材料に使った簡単なメニューも提供している。注文したのは「兄弟丼」。一般的には親子丼だが、加藤さんは「同じ親鶏から産まれた卵と、その卵からかえった鶏の肉なので表示は正確にしました」と笑う。いただいた甲州地どりは、堅さとは違ったしっかりした歯応え。うまみも濃い。当然だが日ごろ食べ慣れた脂の多いブロイラーとはひと味違った。

(商品部 高田哲生)