検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

買うならどっち 「国産ウナギ」と「ニホンウナギ」

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

「国産ウナギ」にしようか「ニホンウナギ」にしようか。近い将来、スーパーのかば焼き売り場で買い物客が頭を悩ませる日が来るかもしれない。難しい選択なのは無理もない。このふたつ、違うものかもしれないし、同じものかもしれないのだから。

水産庁、「かば焼きにニホンウナギ明記を」と通達

ニホンウナギの資源が枯渇し、活ウナギの取引価格が史上最高値を更新した今年、水産庁はニホンウナギを原料にするかば焼き製品には「ニホンウナギ」と明記することを推奨する通達を出した。「今後、海外種が増えてきそうな現状を考慮した措置」という。

日本で流通しているウナギがニホンウナギとは限らない。

1990年代から輸入が増えた中国産の多くは、ヨーロッパウナギの稚魚を中国で育て、かば焼きに加工したもの。日本で養殖したものは基本的にニホンウナギだったが、養殖に使う稚魚の高騰を受け、海外種の導入を検討する生産者も増えている。そんな時流の中、市場では様々な原料を使ったかば焼き製品が入り乱れている。

北里大学海洋生命科学部の吉永龍起講師の研究室ではスーパーやコンビニ、外食チェーンなどで販売しているかば焼きの遺伝子解析を行っている。これまでニホンウナギ、ヨーロッパウナギのほか、北米に生息するロストラータ、インド洋のビカーラなど計5種を確認した。

「同じ店舗の同じ商品でも日によって種類が違うことがある。実際にはさらに多くの種が出回っていると聞く」(吉永氏)

かば焼きの表示、義務は産地のみ ウナギの品種は分からない

現行のかば焼きの原料表示義務は産地(養殖地)のみ。種名は義務ではないため、大半の製品には「国産ウナギ」や「中国産ウナギ」などとだけ書いてある。消費者は自分が食べているウナギの品種が分からないというわけだ。

水産庁がニホンウナギの明記を推奨したとはいえ、それ以外の種類は「ウナギ」でOK。メーカーなどの判断で品種を明記することもできるが「ヨーロッパ種や北米種だと打ち出してもメリットがない。自主的に明記する業者はいないだろう」(ウナギ流通業者)。

ニホンウナギにしてもあくまで「推奨」なので、単に「ウナギ」と書いてあれば、ニホンウナギでもあり得るし、海外種でもあり得るという曖昧なもの。そもそも資源枯渇の問題はヨーロッパ種や北米種にも当てはまり、ヨーロッパ種はワシントン条約で国際取引が規制されている。

吉永氏は「すべての商品に種名と産地を表記すべきだ。さらに稚魚の漁場や、輸出入時の許可証の取得まで明記することを義務付ければ、密輸など"訳ありウナギ"の流通を減らせる」と説く。

カツオ節の原産地は「ゆでた場所」か「いぶした場所」か

曖昧な加工原料表示はウナギに限ったことではない。日本の食文化を支えるカツオ節では「原産地」の定義について業界内でも意見が分かれる。

論点は「原料のカツオがどの時点で加工品のカツオ節になるのか」。

「原料のカツオを切って煮熟(しゃじゅく、ゆでること)をした場所」を主張する人がいる一方、「焙乾(ばいかん、煙でいぶすこと)をした場所」という人がいる。焙乾派によれば、海外でゆでた原料を輸入していぶした製品は「国産品」だし、煮熟派にとっては同じものが「輸入品」ということになる。

日本農林規格(JAS)法の定義によると、削り節の原料としてのカツオ節とは、煮熟によってたん白質を凝固させた後冷却し、水分が26%以下になるようにくん乾(焙乾と同義)したもの。カツオがカツオ節になる境目を焙乾としていることから「焙乾派」に軍配を上げているが、「中には26%スレスレまで海外で焙乾し、最後の一手間だけを日本でかけて国産にする業者もある」(鹿児島県のカツオ節生産者)といい、やはり不透明感が残る。

さらに複雑なのは、カビをつけてうまみを引き出した「本枯れ節」で、削らずに1本で売る場合、最後のカビ付けだけを国内でしても「国産品」と表示できる。何をもって「国産」とするかは業者の判断次第なのだ。

カツオ節の良さは産地よりも生産方法

外食店やつゆメーカーに、インドネシアやフィリピンで全工程を手がけた「輸入節」を販売している大手業者によると「大切なのは国内か海外かではなく、各社ごとの生産手法」。国産品を扱う大手メーカーの仕入れ担当者も「安い人件費の海外で丁寧な仕事をした商品の方が質がいいことは多い」と認める。削り節を国産品から輸入品に切り替えたところ、客の評判が上がったというタコ焼き店もある。単純な国産信仰は薄れつつあるようだ。

話をウナギに戻そう。

海外種を使う企業が品種を明記しない理由の多くは、表示義務がないことに加え、「消費者から産地は聞かれても種別は聞かれないから」だという。「このウナギの品種は?」。分かりやすい原料表示への近道は、店頭での消費者のこんな質問かもしれない。(商品部 吉野浩一郎)

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連キーワード

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_