都会で増えたメジロ 理由はカンツバキの花?

2013/12/14

生きものがたり

メジロが増えたように思う。東京では庭や公園でもごく普通にいるようになった。みなさんの地域ではいかがだろうか。

柿の木に止まるメジロ=写真 石田光史

高木の葉が茂った枝にいることが多いうえ、色やサイズは葉とよく似ている。緑の多い季節は姿を確認することが難しいが、葉が散る頃になると、低く、近いところで見る機会が増えるはずだ。晩秋はカキの実を食べに姿を見せるし、冬はカンツバキ、春先になればウメやヤブツバキの花にやって来る。

茂みの中や高いところ、遠いところにいる場合、野鳥の色はよくわからない。だが、声や動作で判別できる鳥もいるし、季節、地域、環境などの観点から絞り込める種も多い。

例えば、身近な環境でスズメより小さい野鳥はメジロだけなので、スズメのサイズがわかるようになれば、大きさだけでメジロだと判別できる。

声も基準に「ものさし鳥」スズメ

野鳥を見分ける「ものさし鳥」であるスズメは大きさや形のほか、声も比較の基準になる。実はさまざまな声を出すが、よく聞かれる「チュン、チュン」とメジロの声を比べてみよう。

声の質が高くて細く、少し伸ばす鳴き方をするのがメジロで、カタカナで表現すると、「チイ」とか「チィー」となる。春に始まる雄のラブソング(さえずり)は複雑で長いが、高い緑の茂みから小鳥のさえずりが聞こえてきて、その姿がなかなか見えなければ、住宅地ではまずメジロだろう。

ウグイスはメジロと比べ褐色味が強い。この写真のように、茂みが少ないところにでてくるのはまれ=写真 石田光史

声を知ってほしいのはウグイスだ。メジロ同様、本州以南では、秋冬は庭や公園にもいるのに、ほとんど気づかれない。低い茂みの中にいて、姿が見えることは少ないが、声でわかる。スズメより濁りが強く、カタカナでは「ジャッ、ジャッ」。一声ずつ区切って鳴くのも特徴だ。

ウグイスはスズメほど人を恐れない。声に気づいたら、しゃがんで粘ってみれば近くで見ることができるかもしれない。ただしメジロのような明るいうぐいす色ではなく、褐色味が強い。雌(スズメよりわずかに小さい)は一年中「ジャッ、ジャッ」としか鳴かないが、雄(ほぼスズメサイズ)なら、早春にはかの有名な「ホーホケキョ」のさえずりを始めるはずだ。

野鳥はよく移動するし、繁殖期に増え、その後は減る。その場で数えられたとしても、長期的、総合的に調べないと増減はわからない。ただ、街でメジロが増えたなら、その理由の一つは冬中咲いているカンツバキではないだろうか。

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