女性議員、育て方工夫を 竹安栄子・京都女子大教授Wの未来 キレイになる

2014/5/9

朝・夕刊の「W」

日経紙面の連載「Wの未来 キレイになる」で取り上げた大阪府の島本町議会は女性議員が半数を占めるが、地方議会への女性進出はスローペースだ。女性の感性や行動は議会や政策をどう変えるのか。地方議会への女性参画について研究している京都女子大学の竹安栄子教授(63)に現状と課題を聞いた。

――地方議会に女性議員が増えると、どんな変化があるのでしょうか。

インタビューに答える京都女子大学現代社会学部教授の竹安栄子さん

「女性議員比率が高まると、議会での一般質問が増える傾向はデータにも現れています。一般に、女性議員のほうがニュースレターを配るなど後援会活動にも積極的で、議員としての活動を積極的に有権者に知らせようとします。その理由の1つは、背景の組織が男性に比べると小さいこと。無所属はもちろん、共産党や公明党などの政党に所属する女性議員も、党の支持だけでは当選が難しい場合に擁立されることが多いので、PTAや婦人会などの人脈を使って女性候補者が自ら票を集める必要があります。一般的に男性議員より多くの無党派層の票を得て当選することから、女性議員自身も支持者の顔がよく分かりません。このため、自分から有権者にアクセスしないと支持をつなぎとめられないのです」

「女性の特性として、女性有権者の声を聞きやすいことが挙げられます。特に、介護や育児の経験がある女性議員にはこうした問題を相談しやすい。女性議員の持つ、ある種の潔癖さが議会を健全化する例もあります。例えば、昔の地方議会では研修会と称して温泉旅行などに行くことがままありましたが、女性議員が抗議したため、最近ではあまり見られなくなりました。議会での品位のない発言なども減りました」

――政策上の変化はありますか。

「女性議員比率が5割になった大阪府島本町は以前から女性議員が多い議会ですが、残念ながら子育て支援など女性のためになる施策が特出しているとはいえません。無所属などで会派の力が弱かったり、逆に所属政党の縛りが強すぎたりして、女性議員同士が連携できないからでしょう。女性であることの共通点よりも、政策理念の差のほうが大きいともいえます」

「一般的には、女性議員が少なすぎるために、議会の中で影響力を十分に発揮できないことが問題です。女性議員が15%を超えないと影響力を発揮できないと言われていますが、政令指定都市以外の地方自治体では10%を切るところが多く、1人もいない自治体すらあります。また、『2回目のジンクス』という言葉にあらわれているように、女性議員の多くが当選1回で終わってしまうことも問題です。議員としての経験が十分でないので、政策を実現するためのプロセスが分からないのです」