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女性議員、育て方工夫を 竹安栄子・京都女子大教授

Wの未来 キレイになる

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NIKKEI STYLE

 日経紙面の連載「Wの未来 キレイになる」で取り上げた大阪府の島本町議会は女性議員が半数を占めるが、地方議会への女性進出はスローペースだ。女性の感性や行動は議会や政策をどう変えるのか。地方議会への女性参画について研究している京都女子大学の竹安栄子教授(63)に現状と課題を聞いた。

――地方議会に女性議員が増えると、どんな変化があるのでしょうか。

「女性議員比率が高まると、議会での一般質問が増える傾向はデータにも現れています。一般に、女性議員のほうがニュースレターを配るなど後援会活動にも積極的で、議員としての活動を積極的に有権者に知らせようとします。その理由の1つは、背景の組織が男性に比べると小さいこと。無所属はもちろん、共産党や公明党などの政党に所属する女性議員も、党の支持だけでは当選が難しい場合に擁立されることが多いので、PTAや婦人会などの人脈を使って女性候補者が自ら票を集める必要があります。一般的に男性議員より多くの無党派層の票を得て当選することから、女性議員自身も支持者の顔がよく分かりません。このため、自分から有権者にアクセスしないと支持をつなぎとめられないのです」

「女性の特性として、女性有権者の声を聞きやすいことが挙げられます。特に、介護や育児の経験がある女性議員にはこうした問題を相談しやすい。女性議員の持つ、ある種の潔癖さが議会を健全化する例もあります。例えば、昔の地方議会では研修会と称して温泉旅行などに行くことがままありましたが、女性議員が抗議したため、最近ではあまり見られなくなりました。議会での品位のない発言なども減りました」

――政策上の変化はありますか。

「女性議員比率が5割になった大阪府島本町は以前から女性議員が多い議会ですが、残念ながら子育て支援など女性のためになる施策が特出しているとはいえません。無所属などで会派の力が弱かったり、逆に所属政党の縛りが強すぎたりして、女性議員同士が連携できないからでしょう。女性であることの共通点よりも、政策理念の差のほうが大きいともいえます」

「一般的には、女性議員が少なすぎるために、議会の中で影響力を十分に発揮できないことが問題です。女性議員が15%を超えないと影響力を発揮できないと言われていますが、政令指定都市以外の地方自治体では10%を切るところが多く、1人もいない自治体すらあります。また、『2回目のジンクス』という言葉にあらわれているように、女性議員の多くが当選1回で終わってしまうことも問題です。議員としての経験が十分でないので、政策を実現するためのプロセスが分からないのです」

――なぜ女性議員は経験を積めないのでしょうか。

「政党に所属しない議員だと、先輩議員から議会での立ち回り方などを教えてもらう機会がありません。議員になる以前の経験にも差があります。男性議員の多くは議員になる前に企業などの組織に所属していますが、女性議員の多くは主婦。企業に勤めた経験があっても事務職などで、男性に比べると組織の中で育てられた経験が少ないのです。地方議員へのアンケートで悩みを聞いたところ、女性議員で最も多かったのは『自分の力に不安がある』という回答でした。学歴は女性議員のほうが高いくらいで、潜在的な能力の違いではありません」

――女性議員を増やすためにはどうすればいいのでしょうか。

「女性議員は男性議員とは違う利害関係を持っています。男性議員は前職が農林水産業や自営業、会社経営などで半数を占めるのに対し、女性は主婦や自由業が多い。職業的なバックグラウンドが異なる人たちが代表として議会に参加することは、議会制民主主義の実現に不可欠です。この意味からも、女性議員はもっと増える必要があります」

「女性議員の支援組織ではアマチュアリズムを重視するため、既存政党から距離を置いたり、当選回数を重ねると支援しなくなったりします。しかし、女性議員を育てていかないと、いつまでたっても泡沫(ほうまつ)議員のまま。『テーブルに座らないとパイは食べられない』という言葉がありますが、政党の中に入っていかないと変えられないのではないでしょうか」

(聞き手は大阪経済部 小国由美子)

 竹安 栄子(たけやす・ひでこ)氏 1950年生まれ。関西学院大学大学院社会学研究科単位取得退学。追手門学院大学教授を経て、2000年から京都女子大学現代社会学部教授。主な研究テーマは政治領域、特に地域政治への女性の参画や英国地方議員との比較。著書に「近代化と家族・地域社会」など。

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