WOMAN SMART

朝・夕刊の「W」

「男性社会」韓国も女性登用へ様変わり Wの未来 世界が競う

2014/6/28

家父長制的な儒教文化圏にあって職場環境も日本と同様に男性中心の印象が強かった韓国。今でもその風潮は根強く、欧米と比べれば女性の管理職登用が進んでいるとは言い難い。しかし、実は近年その雰囲気は急速に変わりつつある。
化粧品大手アモーレパシフィックではオフィスに女性従業員のための休憩室も

「私も会社の『子どもの家』に預けて働くワーキングママなんです」。ソウル市南部の韓国通信大手KTのオフィスでこう話してくれたのは人材支援チームのマネジャー、キム・ユファさん(36)。朝は1歳になる子どもを社内の保育施設に預けて出社、仕事をこなしながら子育てにも奮闘している。国営企業を前身に持つKTでは全国8カ所の社内保育施設に加え、法律を上回る2年間の育児休業や勤務時間の選択制など家庭と仕事の両立を支援する仕組みを次々と導入してきた。女性の登用に力を入れ、10年前は全体の4分の1程度だった女性の大学新卒採用は今や半数近くに達し、管理職や役員の数はここ5年で4~5倍に増えた。韓国の大企業の中でもトップクラスの水準だという。

仕事の成果も上がってきた。KTが展開する「olleh」ブランドの丸みを帯びたロゴデザインは女性リーダーが中心となって手掛け、世界的に高い評価を受けた。職場でも生産性の高い働き方や同僚への気配りなどで周囲に好影響を与える例が目立つという。KT人材経営室長のキム・ウォンギョン常務(51)は「働く女性の能力も意識も大きく変わった」と指摘する。出産・育児によるキャリア断絶も課題だったが、今は「出産後に職場に戻るのは当然。女性が働きやすい職場という評判からより優秀な女性が集まる好循環ができている」と話す。

女性が働きやすい職場として就職人気も高いのが化粧品大手アモーレパシフィック。オフィスには女性専用の休憩スペースや社内保育施設などが充実。育児のために出社時間を調整できる仕組みも採り入れた。「入社当初は男性中心の文化や慣行があって公然の差別もあったが、今では成果で評価される」(42歳女性)。女性従業員約3千人のうち子どもを持つ割合は3割を超えた。女性管理職の割合も18%に達し、2006年に比べると倍以上の水準だ。

代表的な企業としてはサムスン電子でも早くから女性役員の積極登用を打ち出している。努力を重ねた象徴的な女性の存在が目立つ面は確かにあるが、それでも女性登用は一流企業のステータスとして広がってきた。その背景には国民意識の変化がある。男女の雇用平等を求める運動が活発になって政治を動かし、関連法律の制定・改正が重ねられてきた。女性の大学進学率が高まり、その実力を期待して採用を増やす企業も目立つ。

女性登用に関しては性差別撤廃に向けて06年に導入した「Affirmative Action(積極的雇用改善措置制度、AA制度)」の後押しも大きい。対象事業所に女性の従業員や管理職の割合を報告するよう義務付けており、極端に割合が低いと改善を求める一方、優秀な企業には特典を与える。

WOMAN SMART 新着記事

WOMAN SMART 注目トピックス
日経doors
婚活でやってはいけないこと 高学歴女子が陥りがち
日経DUAL
手軽なツールSNS 疲れずに仕事人脈をつくるコツ
日経ARIA
東川町に単身移住。不安、不便、不足だらけでも毎日
日経doors
『サードドア』著者バナヤン氏(下) 不安と友達に
ALL CHANNEL