マイマイカブリの冬越しは日の当たらない場所で

厳しい冷え込みが続くこの季節、虫たちは冬越しのさなかにある。それでも、冬ならではの出合いに期待して、野外に出かける日が続く。今回は冬越ししているマイマイカブリの採集風景をご紹介したい。

カタツムリを食べる

地域によってマイマイカブリの色彩や形は違う=写真 永幡嘉之

マイマイカブリはオサムシという甲虫の仲間。変わった名前は幼虫がカタツムリを専門に食べることに由来するが、成虫はカタツムリをはじめ昆虫の死骸などを食べ、樹液にも集まる。羽の一部が退化しており、空を飛べない。

その魅力は、地域によって色や形が見事に変化することに尽きる。

北日本・東日本では頭と胸が光沢のある赤や青、紫あるいは緑に変化する。中でも東北地方北部のマイマイカブリは羽も緑色になって美しい。中部地方以西のものは全身がほぼ真っ黒になるが、羽の先端が鋭くとがって伸び、九州では時に7センチに達して、こちらは素晴らしい迫力になる。

昆虫の色や形の変化は日本列島の成り立ちを反映している。生きものが歴史をひもとく糸口となり、考える楽しみへとつながってゆく。

赤と緑色が美しい秋田県北部のマイマイカブリ=写真 永幡嘉之

マイマイカブリの仲間は夜行性で、春から秋にかけては夜中に地面を歩き回る。この季節の採集は地面に紙コップを埋め、好みそうな餌を入れて一晩待つ方法が一般的だ。だが、この方法では、現地で1泊するか、2度行かなければならない。秋を過ぎると、土や朽木の中で冬越ししているので、くわを片手に目ぼしい場所を掘り歩く。日帰りで採集できるし、宝探しのような採集が同好者を夢中にさせる。

林の中で枯れ木を探し、樹皮をはいだり、崖の肩の部分の赤土を薄く削ったりすると、様々な虫たちが顔を出す。スズメバチの仲間は春になれば巣作りを始める女王だけが冬越ししている。朽木からアマガエルが姿を見せることもある。