海辺でなじみのウミネコ 尾の黒い帯が目印

空を飛ぶウミネコ。細長い翼はカモメ科に共通しているが、尾の黒い帯が特徴=写真 石田光史

海の青さや波の音に癒やされ、懐かしさを感じるのは、本能的なものかもしれない。生命は海で誕生したわけだし、私たちの体の塩分濃度はその当時の海水のものとほぼ同じらしい。

長く太いくちばし、雑食性の特徴

レジャーの場所としては砂浜が好まれるが、そこは環境が単純なので、野鳥の種は少ない。多くの種が共存できるには、多様な環境が要るのだ。ウミネコはそんな砂浜でも目にすることができる。そればかりか、磯や港にもいる。

海辺のさまざまな場所で暮らせるのは、雑食性ゆえだ。ウミネコも含め、比較的大きなカモメの仲間は日本だけで10種以上いるが、どれもカラスのようなくちばしをしている。細いくちばしの小鳥は虫が主食、太いくちばしの小鳥は種子が主食で、長くて太いカラス的なくちばしは雑食性の特徴といえる。

カモメ科は互いに姿がよく似ているので、種を見分けるのは最も難しいグループとされる。だが、カモメの仲間であることは「細長い翼」で簡単にわかる。なぜ細長いのかは、そうでないと困る……というか、そうであるからこそ、海辺で生き延びてきた。彼らは飛びながら食物を探す。強風も吹きすさぶ海辺で太い翼は不利であろうし、短い翼で羽ばたき続けるのは効率が悪い。

ウミネコの成鳥は足とくちばしが黄色で、くちばしの先に赤と黒の模様がある=写真 石田光史

姿がよく似たカモメの仲間の中で、簡単に種までわかるのがウミネコだ。ウミネコ以外は冬鳥なので、今ごろはロシアにいる。東北以北ではオオセグロカモメも夏にいるが、尾羽をチェックできればわかる。英名でBlack-tailed Gullと呼ばれるように、ウミネコの尾羽には黒い帯が目立つ。

英名を覚えておくと、外国の方、特に欧米人に自慢できるのもウミネコだ。秋に飛来するユリカモメはユーラシア大陸で広く見られ、冬は東南アジアやアフリカまで渡るし、セグロカモメは北米にもいるが、ウミネコの分布は日本周辺に限られている。

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