ライフコラム

生きものがたり

初夏にかけ活性化するネコノミ 犬や人もご用心

2014/5/24

ネコノミの雄=目黒寄生虫館提供

初夏にかかる頃から、動物病院には皮膚病の来院が増えてくる。犬でも猫でも背中からお尻の周りにかけて、強いかゆみと脱毛があれば、獣医師はノミ感染によるアレルギーを疑う。気温の上昇とともにノミも活性化してくるのだ。

■雄より大きい雌 「ノミの夫婦」の語源に

ネコノミの体長は雄成虫で1.2~1.8ミリ、雌成虫で1.6~2.0ミリ。雄が小さいのが「ノミの夫婦」の語源だ。成虫は宿主の皮膚から吸血し、雌は1日に10個以上卵を産み、幼虫は成虫のフンなどを食べ、サナギを経て羽化し成虫となる。バッタなどと違い、チョウやガのように完全変態をとる。

ネコノミの雄と雌=目黒寄生虫館提供

ノミというと、体長の100倍にも及ぶとされるジャンプ力に目がいくが、成虫を正面から見るとかなり扁平(へんぺい)で、動物の体毛の中をすり抜けていくのに適した形態をしている。卵は最適の環境では3週ほどで成虫になり、寒くなればサナギで冬を越すこともある。室内が暖かくなった現在では、年間を通して繁殖が可能ともなっている。猫に寄生するのでネコノミだが、犬に付いているノミを調べても、ほとんどがネコノミである。

蚤虱(のみしらみ)馬の尿(ばり)する枕もと(松尾芭蕉「奥の細道」)

出羽の国(山形県)の国境に近い尿前(しとまえ)の関で芭蕉がくわれたのはヒトノミだったろうが、寄生虫学者の間では、現在の日本においてイヌノミやヒトノミは絶滅危惧種である。

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