「商品券、知らぬ間に紙くず」相談急増 消費センター100業者、既に利用停止 文具券は13日まで

商品券やギフト券の払い戻しなどを巡り、全国の消費生活センターで相談が急増している。昨春の法律施行で60日以上、払い戻しの受付期間を設ければ廃止できるようになり、利用も換金もできなくなる券が相次いでいるためだ。タンスや財布に眠らせたまま期間を過ぎれば紙くず同然になる。廃止リストをホームページに掲載している金融庁は「お早めに確認を」と呼びかけている。

文具券の払い戻しに関する案内が張り出された文具店(東京・銀座の伊東屋)

「買い物をしようとギフト券を出したら『使えない』と言われた」(南関東在住の40代男性)、「手元にある商品券がまだ使えるか教えてほしい」(近畿在住の80代女性)――。

昨年末以降、各地の消費生活センターにこんな戸惑いの声が次々と寄せられている。相談をとりまとめる国民生活センターによると、月数件程度だった商品券などの扱いについての相談は12月に140件、1月は379件と急増した。

背景には昨年4月の資金決済法施行がある。従来、規定がなかった商品券やプリペイドカードの廃止手続きが明確化され、廃止しやすくなった。

廃止手続きは60日以上、払い戻しの受付期間を置くとともに、取り扱う店頭や新聞などで周知するという内容。廃止後、受付期間を過ぎると払い戻し対象から外れ、まったく価値がなくなる。

まだ利用可能な商品券は多いものの、これまでに約100の業者が商品券などの発行や利用を停止。すでに「全国共通食事券すし券」が払戻受付期間を2月28日に終了したほか、「全国共通文具券」も廃止され、払戻受付期限は3月13日までとなっている。

ただ周知が不十分の場合もある。「伊東屋」(東京・銀座)は運営する文具店約10店で、昨年末に全国共通文具券が廃止されて以降、知らずに使おうとした客に、払い戻しの申込書を2000通以上手渡した。

岩井正・販売本部長は「祖父から渡された文具券を孫が使えなかったケースもあった。払い戻し受け付けが終われば、トラブルの増加も予想される」と顔を曇らせる。日本文具振興(東京・台東)によると文具券はこれまで約331億円分が発行され、未利用分は昨年末時点で約39億円にのぼる。

資金決済法を所管する金融庁は問い合わせの増加などを受け、ホームページに「払戻手続実施中の商品券の発行者等一覧」を掲載中で、随時更新している。同庁金融会社室は「すべての商品券が廃止されるわけではないが、手持ちの商品券と照らし合わせ、必要なものは期間中に払い戻し手続きを終えるよう注意してほしい」としている。