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知られざるウサギの秘密 なぜ糞を食べるのか

2013/7/27

日本には4種類のウサギがいる。在来種は広く分布するノウサギ、南西諸島のアマミノクロウサギ、北海道のナキウサギの3種であり、一番なじみのあるカイウサギはスペイン・イベリア半島の原産だ。巣穴を掘らないノウサギ(ヘア、hare)と比べ、短めの太い前肢で地中に穴を掘りワーレンという巣穴を作るので、本名はアナウサギ(ラビット、rabbit)という。

■ペットとしてはまだ発展途上

保育園や幼稚園、小学校の校庭の動物舎などで学校飼育動物として飼われているのもアナウサギである。完全な草食動物で、妊娠期間は約30日。つがいで飼うと、年に4~5回は出産できる。小型種でも1回に3~5匹くらいは出産し、子供も生後半年たてば妊娠可能なので、繁殖管理を怠ると「ウサギ算」で、たちまちとんでもない数になってしまう。

ウサギの食糞行動。肛門から直接食べる

ペットとしての成熟度はイヌやネコに比べて発展途上と考えている。まず、平均寿命を聞かれた時に回答しにくい。ペットに特化された小型のダッチ種(俗称パンダウサギ)などは、平均5~6年くらいでは、と答えているが、10歳齢に達するものもいる。肉や毛皮を取る目的で開発された大型の日本白色種(赤目のアレビノ種=白子)やアンゴラなどの品種は本来、家畜(経済動物)であり、成長も老化も早く、寿命も短いように思われる。

■食糞の意外な役割

ウサギの糞(ふん)がころころして丸いこと(硬糞)は誰でも知っている。実は、ほとんど人目につくことはないが、軟らかなクリーム状の軟糞もする。ウサギには独特の食糞行動があり、主として盲腸の内容物とされる軟糞を深夜から早朝にかけて排出し、肛門から直接食べるのである。

人の盲腸は痕跡程度の大きさしかなく、消化機能は持たないが、ウサギの盲腸の容量は胃よりも大きく、腸内細菌による巨大な発酵タンクとなって植物繊維を分解する。食糞は腸内細菌が作り出したアミノ酸、ビタミンB群、ビタミンKなどの栄養素を摂取するしくみで、食糞ができないと栄養障害を起こしてしまう。

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