横向きながら睨みきかす ニワトリの不思議な視覚

2013/11/16

ニワトリはキジ科の鳥で、原種は東南アジアに生息するセキショクヤケイ(赤色野鶏)である。キジ科は人里に隣接した環境を主な生息地とする里鳥で、人目をひきつける華やかな羽装を持つのが特徴だ。長距離を飛ばず、採食など一日の大半は土の上で過ごし、営巣も地上でする。

ブロイラーの繁殖施設

人類にとってかけがえのない食品

鶏肉と鶏卵は宗教上の理由による食物タブーの少ない動物性たんぱく質として、人類にとってかけがえのない食品である。重要な家禽(かきん)の一つであり、食の安心・安全の観点から家畜伝染病予防法の対象ともなっている。日本は現在、清浄国に復帰しているが、高病原性鳥インフルエンザが発生すると、時に数万羽単位を処分することになるので、養鶏場の被害は甚大だ。

スーパーで買い物をすれば分かるが、鶏卵は物価の優等生でもある。

浅草で買い物かごをもった永井荷風=永井壮一郎氏提供

作家の永井荷風は一人暮らしのため、よく生活必需品の買い物をした。荷風の日記「断腸亭日乗」では、1947(昭和22)年4月11日に鶏卵1個9円、白米1升90とあり、それが戦後の猛烈なインフレで翌48年4月7日には白米1升200円、11月16日に鶏卵1個24円に上昇したことを憤っている(「断腸亭の経済学」より)。

その後に実施されたドッヂ・ラインによる金融引き締め政策により物価上昇が収まって以降も、鶏卵はいまだに国産L玉10個入りパックを200円で買えるというありがたさである。

ニワトリは「時を告げる」性質があることに加え、闘争性の激しさから「闘鶏」として飼育されるなど、食用よりも祭祀(さいし)性を主目的として初期の家畜化が始まったとされている。