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ライフコラム
生きものがたり

巣立ち始まる カワラヒワの親子を見つけよう

2014/5/10

生きものがたり

スズメと見分けるには、先がへこんでいる尾羽の形に注意するとよい=写真 石田光史

早くも巣立ちが始まる。雄のラブソングが恋の季節を告げて間もないが、スズメやシジュウカラなどではすでにペアが誕生し、巣作り、交尾、産卵、抱卵を経て、5月には育雛(いくすう)から巣立ちに至る。野生の命は毎日がサバイバルだから、子育ては短期間で終えなくてはならない。小鳥は抱卵で約2週間、ふ化したひなが巣立つまで2~3週間程度が普通である。

幼鳥、親鳥と違う特徴

子育ては失敗も多いが、エサとなる虫が豊富な夏までチャレンジは続く。巣立ちから子別れまでを終え、2回目に取り組むペアもいる。これから私たちが出会う野鳥の多くはお父さんかお母さんか、その子供のはずだ。もてない雄や、雄に死なれた雌がいたとしても夏まではお父さん、お母さんを目指す。命の使命は命をつなぐことであり、そのために寒さや悪天候に耐え、天敵の襲来からも逃れてきたのだから……。

雌(右)は雄(左)ほど緑味がないが、翼や尾の黄斑は同じで、飛ぶと目立つ

野鳥の子供の多くは小さくないので、親子に気づく人は少ない。カモやキジ(地上営巣のひなは小さいうちに巣を離れる)は例外で、ひなは巣内で親鳥に近いサイズまで育ってから巣立つのが普通だ。スズメやシジュウカラでは色が淡いとか、ハシブトガラスでは口の中が赤い、声が甘いなど、それぞれの親鳥(成鳥)と比べてわかる子(幼鳥)の特徴がある。

スズメの親子を探して身近な野鳥をよく観察すると、カワラヒワにも気づくはずだ。緑を帯びた色合い、ピンクのくちばしなど、図鑑や写真では簡単にそれとわかりそうだが、ほとんどの場合、スズメと思って見過ごされる。

野鳥の色彩がわかるには意識してよい向き、よい光線状態で、しかも近くで見る必要がある。カワラヒワはよく庭や公園でタンポポのタネを食べているが、こちらが先に気づかない限り飛び立ってしまうのが野鳥の常。アンテナや電線に止まっているのを肉眼で見ても、黒っぽくしか見えないだろう。

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