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Tシャツ・ドレス… みんな「カットソー」?

2013/1/29

はやりすたりの激しいファッションの世界で、いつの間にか定着した「カットソー」という言葉。「カット・アンド・ソー」などとも呼ばれるが、どんな製品か説明できるだろうか。Tシャツなどに使われるジャージー生地を裁断・縫製して作る服のことだが、ピンとこないかもしれない。語源は英語の「cut and sewn=裁断・縫製された」という服の製法。高級感のあるTシャツを指すことが多いが、最近では「カットソーワンピ」などカットソーと名のつく衣類が増え、それらをまとめてカットソーと呼ぶことも。そのためか、「カットソーとTシャツは何が違うの?」という女性も意外に多い。広がるカットソーの正体を探ってみた。

■バリエーションは様々

百貨店では「カットソー」は一般的に使われる(東京都豊島区の西武池袋本店「23区」)

「今年らしいカットソーはジャケットインにおすすめです」。西武池袋本店(東京・豊島)にあるアパレル大手、オンワード樫山の婦人服ブランド「23区」の売り場では昨年末に一足早く2013年春夏ものとして並んだ商品に、こんな店頭販促(POP)が掲げられた。商品は「ペプラム」と呼ばれる流行のひだ飾りがついたTシャツで、価格は1万1550円と高め。綿にハリとコシのある素材を混ぜた生地は、肌着のようなTシャツより上品な印象だ。「コートの中に着るのに好評」と同売り場の篠崎綾乃店長。

百貨店の婦人服売り場では他のブランドでも「カットソー」の文字を見ることができる。伊勢丹新宿本店(東京・新宿)にある自主編集売り場「プライムガーデン」では、春夏ものの季節になると例年「カット アンド ソウン」の専用コーナーができる。カットソーは一定の“市民権”を得た言葉といえる。

これらの売り場でカットソーはTシャツを指すことが多いが、バリエーションは様々。伊勢丹では丸首のTシャツを指すこともあれば、タートルネックのシャツを指すこともあり「厳密な規定はない」(同店)。婦人服専門店によってはひだ飾りのついたドレスのような服だったり、丈の長いチュニックだったりする。共通するのはTシャツなどに使われるジャージー生地を裁断し、縫製して作っている点だ。ジャージーといっても体操服の「ジャージ」ではなく、その言葉の元の意味である編み物jerseyのこと。実はカットソーはセーターやカーディガンと同じ編み物なのだ。

■編み物を生地にして縫製

一般的なワイシャツやスーツの素材は織物。織物は無数の縦糸と横糸を重ねて作るが、編み物は横糸または縦糸だけでたくさんの輪のような形をつくり、からげながら製造する。織物より伸縮性に富むのが特徴だ。編み物の技法は大きく「丸編み」「横編み」「たて編み」の3種類あり、それぞれ「丸編み機」「横編み機」「たて編み機」で作る。Tシャツなどは丸編み、毛糸のセーターなどは横編み、水着の生地などはたて編みが主流だ。横編み製品と異なり、カットソーは筒状に作られるジャージー生地を切っていったん平たい布にし、ほとんどの部分を織物のように裁断して縫うので「カットソー」というわけだ。つまり丸編み機で作ったジャージー生地を裁断して縫製した製品であればカットソーと呼べるのだそうだ。

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