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ルーツは源氏と平家? 紅白歌合戦が赤白でないワケ

2013/12/25

大みそか恒例の「NHK紅白歌合戦」。今年で64回目の長寿番組であり、「紅白を見なければ年を越せない」といわれた時代もあった。この紅白歌合戦に限らず、運動会など2組に分かれて勝負を競う戦いでは「紅白」の文字が多く使われる。でも、「あか」組と「しろ」組の対抗戦なのに、なぜ「赤白」ではないのか――。

「あか」と「しろ」は2組対抗の戦いを象徴する色だ

紅白歌合戦という番組名の由来は何だろう。話は1945年の終戦直後にさかのぼる。その年の大みそかに放送された「紅白音楽試合」というNHKのラジオ番組が、そのルーツ。音楽番組に対抗戦の要素を持ち込み勝敗を競うという、類を見ないアイデアが大好評を得て、紅白歌合戦の誕生につながった。

発案者はディレクター

なぜ紅白だったのか? NHKの広報担当者は「古い話なので確実なことはわからない」と話すが、文献などによると、発案者はNHKディレクターの近藤積さん(故人)。学生時代に励んでいた剣道の対抗戦「紅白試合」にネーミングのヒントを得たとの説が有力だ。

2組に分かれる対抗戦を紅白戦や紅白試合と呼ぶのは、剣道に限らない。明治以降、学校の運動会やスポーツ競技の場面を中心に頻繁に使われてきた言葉だ。辞書にはこう書いてある。

【紅白試合】競技などで、紅白の2組に分かれて行う試合。源平試合。
(日本国語大辞典第2版)

突然出てきた「源平試合」という言葉。平安末期に起こった源氏と平家の壮絶な戦いのことだが、いったい紅白試合とどんな関係があるのか。さらに辞書をめくると、ヒントになりそうな文言が登場した。

【紅白】(源氏は白旗を、平家は赤旗を用いたところから)対抗試合などでの、伝統的な2組の組分け。
(大辞泉第2版)

源平合戦は、権力者だった平家と対抗勢力の源氏が戦闘を繰り広げ、平家政権の崩壊と源氏による鎌倉幕府の樹立につながった。この戦いを象徴するのが、両軍が持った旗。敵と味方を区別するために、平家があか、源氏がしろの旗をたなびかせた。あか対しろの構図はここからきているらしい。

では源平合戦の平家のあか旗は、「赤」か「紅」か。

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