ルーツは源氏と平家? 紅白歌合戦が赤白でないワケ

若年層ほど「赤白」派?

NHK放送文化研究所が2006~2007年、全国約1800人に聞いたところ、紅白帽と答えたのは29%。赤白帽が60%と多数派だった。年代別にみると、赤白帽派は60代以上で49%だったのに対し、10代では68%。同研究所の塩田雄大さんは「若い年代ほど赤白帽派が多い。紅白帽よりも赤白帽が使われる割合はもっと増えるだろう」とみる。

理由として考えられるのは、学校教育現場での色の指導方法だ。

昭和初期に出た、当時の尋常小学校の図画工作の教師向けの手引書には、「クレヨンは第1学年、第2学年においては、赤色、青色、空色……の8色を用いる」(改正尋常小学図画の指導・1932年)と書いてある。3年生以降でも紅色は入っていない。学校の現場では、紅ではなく赤が「あか」だったのだ。

紅という漢字を習う年齢が遅いことも背景にありそうだ。

戦後、文部省(現在の文部科学省)は小学校の学年別に習う漢字を定めた。1958年の策定当初は、赤は小学1年で習うが紅は小学校で習う漢字ではなかった。紅が正式に入ったのは1980年。それも6年になってようやく習う位置づけで、現在に至っている。

漢字の読み方も影響している。紅を「あか」とする訓読みは辞書には載っているが、国が定めた常用漢字のくくりでは外されている。

子供たちにとっては、紅組より赤組の方が最初に覚える言葉になるわけで、若い世代に赤白帽派が多いのもうなずける。

青赤・青白… 海外では様々な色分け

海外では、中国は東西や南北対決というように方位で対抗戦を示す。色別であっても、米国の青(民主党)対赤(共和党)、韓国の青対白など色分けは様々だ。

日本でも少子化が進む小学校の中には、3クラスしかない学年だと2チームに分けるのが難しいので赤、白、青の3色対抗戦にするなど、紅白一辺倒ではなくなっている。

12世紀の源平の合戦から800年以上引き継がれてきた紅白対決。21世紀の今、紅白といえば紅白歌合戦を連想する人が依然として多いなか、この色分けが消えていくかどうかの命運を握るのは、やはり同番組の視聴率、といったら少し大げさすぎるだろうか。

(武類祥子)

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