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オートバイ、二輪なのになぜ「単車」 呼び名の由来は?

2012/9/25

「日本語語感の辞典」(岩波書店)によれば、単車は「『オートバイ』をさして一時期盛んに使われ、今ではやや古い感じになりかけている漢語」となっています。「単車」と言う人が一定の年齢を超えた方々に多いことを裏付けています。もっとも、オートバイという呼び方も結構古くからのもの。1923年(大正12年)に月刊誌「オートバイ」(モーターマガジン社)が創刊されているので、この頃からすでに使われ始めていたことになります。

バイクの原点となった「原付き」(栃木県茂木町のツインリンクもてぎ「ホンダコレクションホール」)

実は英語圏で「オートバイ」と言っても通じません。英語ではmotorcycleまたはmotorbikeとされます。和製英語「オートバイ」の語源はおそらく、アメリカ英語autobike(エンジン付き自転車)だろうといわれています。バイクも英語(bike)では、主に自転車を意味します。

■地域独自の呼び名も

エンジン付き自転車といえば、戦後の復興期に国民の足として人気を呼んだ「ホンダのバタバタ」。「旧軍用無線機の発電機用エンジンを利用して製造した通称『バタバタ』。この元気でユーモラスなエンジン音こそホンダの歴史のはじまりでした」(ホンダのHPから)。一世を風靡し、そのエンジン音も手伝って「オートバイ(おもにペダル付き)=バタバタ」だと思っていた人は多かったようです。いまでも年配の方で原付きバイクをバタバタと呼ぶ人がいるのはその名残です。

ほかにも地域によって、そこでしかわからないオートバイの呼び方があります。ホンダ、スズキ、ヤマハなどオートバイメーカーと関係の深い静岡・浜松周辺では、エンジン音から「ポンポン」ともいわれているそうです。ホンダの社史「語り継ぎたいこと チャレンジの50年」にも「ポンポンとは、補助エンジン付き自転車の、浜松風の呼び名である」とあります。高知では「モーター」と呼ばれると聞きました。英語のモーターサイクルやモーターバイクを略したものでしょうか。もしかするとこれがいちばん英語に忠実な和製英語かもしれません。

単車、バイク、バタバタ、ポンポン、モーター……。いろいろな言い方があっても、ひとつだけ忘れてはならないことがあります。それは「安全運転」が第一ということ。軍用、実用など100年以上の歴史を経て私たちの趣味の道具にもなったオートバイ。「無事是名馬」を肝に銘じて楽しみたいものです。

(内藤康宏)

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