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「桃栗三年、柿八年」に続くのは「ユズ9年」?

2013/10/16

会社の帰り、自宅最寄り駅の商店街を歩いていたら、果物屋で柿を売っていた。秋の味覚の一つだ。そこでふと浮かんだのが「桃栗三年、柿八年」ということわざ。以前、この続きのフレーズがあるという話を聞いたが、どんな内容だったか。そもそも桃や栗は3年で実を結ぶものなのか、疑問がわいてきた。

ユズ・ウメ・ナシ・ビワ…いろいろな果物が登場

秋の味覚の一つ、柿が出回ってきた

「桃栗三年、柿八年」を辞書で引いてみると、「芽生えの時から、桃と栗とは三年、柿は八年たてば実を結ぶ意。どんなものにも相応の年数があるということ」(広辞苑第6版)とあった。何かに取り組んだとき、すぐに結果を求めたがる人に対して、まずは地道な努力が大切と、言い聞かせる場合に使われることが多い。

この言葉に続くフレーズがあるということを以前聞いた覚えがあるのだが、辞書には載っていなかった。そこで何冊かのことわざ辞典やインターネットで調べてみると、確かにあった。だが果物はいろいろ、年数もまちまちだった。

実をつけた栗の木

まずはユズだ。「ユズは9年でなりさがる」「ユズは遅くて13年」「ユズの馬鹿めは18年」――などがあった。なりさがるの部分には「なり盛る」や「なりかかる」など複数の表現があった。次いでウメ。「ウメは酸いとて13年」「ウメはすいすい16年」など。そしてナシ。「ナシの大馬鹿13年」「ナシの馬鹿めは18年」。このほかビワもあった。「ビワは9年でなりかかる」などだ。

果物の組み合わせとしては、ユズとウメの「ユズは9年でなりさがる。ウメは酸いとて13年」というものと、ユズの部分をビワに置き換えた「ビワは9年でなりさがる。ウメは……」というのが目立った。さらに最後に、ナシをもってくるケースも多い。

最大公約数的にまとめてみると、「桃栗三年、柿八年。ユズは9年でなりさがる。(ウメは酸いとて13年。)ナシの大馬鹿18年」というフレーズになろうか。

「時をかける少女」ではウメがない

登場する果物や年数の違いはおそらく地域によるのだろう。また、ウメの部分をカッコでくくったのは、それがないフレーズも多かったからだ。これは、映画の挿入歌の影響が大きそうだ。

1983年公開の映画「時をかける少女」(原田知世主演)の挿入歌に、桃栗三年、柿八年に続けて、「ユズは9年でなりさがる、ナシの馬鹿めが18年」という歌詞があるのだ。ネットで調べた時、これを紹介しているケースがかなりあった。

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