親友、心友、信友…「しんゆう」を使い分ける子どもたち

2011/7/12

ことばオンライン

先日、小学6年生の長女が近所の女の子と交換しているノートの表紙に「信友」の文字を見つけました。娘の学習不足を心配しつつ「しんゆうは『親友』と書くんだろ」とたしなめると、「知ってるよ。でもこれでいいの」と平然としています。意外な反応を不思議に思い問いただしてみると、そこには興味深い理由がありました。
2冊目に入った「信友ノート」

「しんゆう」を漢字でどう書くかと問われれば、読者の皆さんの多くは迷わず「親友」と答えるのではないでしょうか。長女が使う小学生向け学習国語辞典には他の漢字を使う「しんゆう」の見出しはありませんし、私自身の記憶をたどっても、小学生のころ「信友」と習った記憶はありません。

長女の交換ノートには他にも「新友」「親友」「心友」が見つかりました(本人の了解を得て閲覧)。たわいのない文章の中にちりばめられたこれら「しんゆう」は、子供たちがつくった言葉なのでしょうか。調べてみると複数の小型国語辞典に「心友」を見つけることができました。50万語を網羅する日本国語大辞典第2版(小学館)に当たってみたところ、「心友=同心の親友。心を許しあっている友人」「信友=誠意のある友人、信頼できる友」のほか「真友=ほんとうの友人。真実の友」があり、「親友」以外も古くからある言葉だということも分かりました。

当てる漢字で序列

驚いたことに、子供たちの使う「しんゆう」には序列がありました。「新友」は「新」の字から類推できるように、最近仲良くなった友達のこと。付き合いが徐々に深まり仲良しグループの一員となった証しが「親友」。このころには母親同士が顔見知りになり、「親も友達」という意味もあるようです。もっと打ち解けてくると心を許す「心友」で、最も信頼を置く大切な友である「信友」となるわけです。辞書の意味とは多少異なるものの、子供でも分かりやすい意味で使い分けられています。

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