旅行・レジャー

耳寄りな話題

大阪、地下街の換気塔もド派手 記念碑?オブジェ? ごみ処理場も奇抜なデザイン

2013/12/1

 JR大阪駅前(大阪市北区)にある通りの真ん中、銀色に輝く5本の塔がそびえる。それぞれ微妙な曲線を描き、個性的なデザインだ。何かの記念碑か、はたまたオブジェなのか。尋ねると地下街の換気塔だという。どうやら大阪は、他都市では目立たないようにする“裏方”の施設をあえて際立たせる傾向があるようだ。他の例も調べてみた。

■アラスカの原生林をイメージ

ホワイティうめだの上にそびえる村野藤吾設計の梅田換気塔(大阪市北区)

 換気塔は地下に空気を送るための筒状の建物で、清浄な空気を吸い込むため、地表から一定の高さが必要。塔の真下に広がる地下街、ホワイティうめだを運営する大阪地下街によると、1963年の地下街開業に合わせて建設された。村野藤吾設計という。

 村野は大阪・心斎橋の旧そごう大阪店などを手掛けた戦後を代表する建築家。設計した経緯は不明だが「アラスカの原生林をイメージしたと聞いています。『大阪の表玄関にふさわしい建物を』との考えがあったのでは」と大阪地下街の山口克也建設課長は話す。

 北新地の北側にある国道2号の地下駐車場の換気塔も、透明なブロックで築かれたユニークな姿だ。近畿地方整備局によると「98年に完成。2008年ごろまでライトアップしていました」。

 大阪・ミナミにも、奇抜な“裏方”施設がある。単独の地下街で国内最大とされるクリスタ長堀(同中央区)。地上に突き出た空調冷却塔に描かれているのは、金髪女性が男性に視線を向ける巨大なイラストだ。

■米ポップアート作家の作品

 「米ポップアートを代表するリキテンシュタインの作品です」。クリスタ長堀の鈴木勇・施設管理担当課長によると縦約37メートル、横約15メートル。1997年に開業する際、周辺の街づくり組織などから「殺風景なタワーを何とかして」と要望もあり、日本宝くじ協会の助成で翌年に完成。版権取得だけで約5千万円かかったという。

 ▼村野藤吾(1891~1984年) 佐賀県出身。大阪を拠点に活動し、モダニズムを基本としながら、華麗な装飾表現など幅広い作風で知られる。主な作品に東京の日生劇場(63年)など。広島市の世界平和記念聖堂(54年)は戦後建築で初の国重要文化財になった。換気塔のみ単独で設計したのは梅田だけという。
 ▼ロイ・リキテンシュタイン(1923~97年) 漫画の一コマを拡大したような手法で知られる。クリスタ長堀の壁画の作品名は「大阪VICKI(ヴィッキー)」。「君の声が聞こえたと思ったよ」と呼びかける男性に女性が視線を向ける構図で、壁画制作にあたり、64年制作の原画に同氏が加筆した。
ALL CHANNEL