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スウェーデン、専業主婦率2%でも出生率高い理由

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NIKKEI STYLE

 専業主婦のいない国スウェーデン。女性の就業率と出生率、双方の高さを両立している。支えるのは子育て家庭に手厚い社会制度と、パートナーの協力だ。現地を訪れ、スウェーデンの働く女性を取り巻く環境に迫った。

国会議員の45%は女性、政党の比例名簿は男女が交互

「自分の生活する分を自分で稼ぐのは当然。主婦になるという発想がなかった。おばあちゃんの時代ならいたかも」。非政府組織(NGO)で働く20代のサラ・ビアタ・ハグストロームさんはこう語る。

スウェーデンの専業主婦の割合は2%(2011年、20~64歳女性のうち、家事が主務の人の割合)。平均就業率は88%に達する(12年、25~54歳女性)。1971年に課税制度が世帯単位から個人単位に変わった。日本のように主婦に配慮した年金制度はなく働かないと最低限の年金しかもらえない。専業主婦は「仕事がみつからない人」と思われることもあるという。

スウェーデンの国会議員の45%は女性。主要政党の比例名簿には男女の候補者の名が交互に並ぶ。それに比べて登用の遅れが指摘される民間でも女性の管理職比率は28%で、安倍政権が掲げた2020年の目標値(30%)にすでに近い。

女性登用を促すコンサルタント会社ウィミンベストの調査では、管理職の女性比率を30%以上にした企業は売上高が46%、利益が51%上昇した。マーケティングや労働環境の整備などで「よりよい判断ができるようになったため」とソフィア・フォーク最高経営責任者(CEO)は話す。

2013年の出生率は1.89、日本の1.43上回る

資源開発会社ボーリデンの人事部長、アン・クリスティンさんは04年に同社初の女性人事部長になった。前職の病院では1985年に人事部長として登用され、現在は女性登用が遅れている同社で奮闘する。

採用の3人に1人を女性にし、2018年までに現在17%の女性従業員割合を20%まで上げる目標。女性社員の研修にも積極的に取り組み、09年度には15%程度だった技術部門の女性社員は13年度に31%まで増えた。「鉱山で働くエンジニアが不足している。能力のある人を確保する必要がある」(クリスティンさん)

その一方で、スウェーデンは出生率も日本より高い。合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)は1.89(13年)で、日本の1.43を上回る。

背景には、まず充実した育児休業制度や保育環境がある。スウェーデンの育休は両親合計で480日。390日間は給与の8割が補償される。親が職場復帰する際の保育所の確保は「コミューン」と呼ばれる地方自治体の役割だ。2~3カ月以内に子どもを預ける場所を確保することが義務付けられており、待機児童数はほぼゼロという。89%の子どもが2歳までにプレスクールと呼ばれる保育所に入る。しかも教育費はもとより、出産費用も国が負担するためほぼ無料だ。

1970年代から男性の育児参加を促進

さらに大きな支えがパートナーの存在。1970年代から男性の育児参加促進に取り組んできた効果で、職場やパートナーの理解が進んでいる。

4月に長女を生んだエレノア・エークルンドさん(40)は、数人の部下とフリーランスで舞台美術の仕事を手掛ける傍ら、新たに大学にも通いはじめた。「建築について学び、仕事の幅をさらに広げたい」

パートナーはアプリ開発会社に勤めるクラウス・ノデーンさん(49)。「サンボ(同居人)」と呼ばれる事実婚のカップルで、スウェーデンでは一般的な関係だ。子どものいるサンボの家庭向けの相続や育休などの制度も整っており、結婚というハードルを超えずとも、柔軟な家族構成で子どもをもうける世帯は多い。婚外子の比率は55%(日本は2%)と高い。

家事の負担は半々。クラウスさんは午後6時には帰宅して食事の用意や娘の世話に取りかかる。クラウスさんは近く240日の育休を取る。「職場では男性の子育ては当然。同僚からは『いつ育休とるの?』と聞かれた」と話す。

就業率だけでは見えない男女格差も

とはいえ、長期の育休がキャリアに完全に影響を及ぼさないわけではない。スウェーデンでも父親の育休取得期間は母親に比べて短い。「男女平等の法律や規制は進んでいるが、実際には完全に平等ではない。育休は男女でシェアし、女性の登用を進めるべきだ」(ソフィアCEO)

就業率だけではみえない格差もある。スウェーデンの女性の多くは介護士などの医療分野や、プレスクールの保育士、ハウスキーパーなどとして働く。概して給与は低い。パートタイムで働く女性は25%程度と男性の約3倍おり、男女の給与格差も小さくない。

さらに、充実した福祉環境を保つため、給与から引かれる税金額は大きい。消費税率は最大25%だ。ある女性は「独身だと税金を取られるばかり。子どもを生まないと損という空気もある」と話す。

日本政府は女性の活躍推進を掲げる傍ら、50年後の人口1億人維持を成長戦略に盛り込む方針で、そのためには出生率の上昇が必要になる。女性の活躍で先を走るスウェーデンから学ぶことは多い。(岸本まりみ)

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