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骨つぼサイズ、3割小さめ 葬祭にも関西の地域色 火葬後拾う遺骨の量を反映

2013/10/20

だが「関西人は東京への反骨心から言うことを聞かなかった」(高橋さん)。もともと関西では宗派の本山に納める分骨用に喉仏部分(正確には第2けい骨)を「本骨」として重要視する文化がある。明治以前から本骨を中心に拾い終わると後を火葬場に任せるやり方が主流だったようだ。

収骨方法の違いは墓の造りにも影響を与えていると高橋さんから聞き、最後にメモリアルアートの大野屋(東京・新宿)関西支社の扉をたたいた。出迎えてくれた第1営業部北大阪営業所所長の高寄成生さんは「納骨棺(カロート)の大きさが全く違います」と説明してくれた。

墓の下に遺骨を安置するカロートは、関東では骨つぼごと納めるため、奥行きのあるスペースを用意している。一方、関西では骨つぼから取り出した遺骨を布や袋でくるむため、骨つぼごと入れるのは無理な狭さだ。関東ではカロートの底はコンクリートだが、関西では土というのも大きな違いだ。

その理由について、高寄さんは「関西では早く遺骨を土に帰そうとの意識が強いためではないか」と話す。墓地の面積が関東に比べて狭い傾向があるため、数十年たつと骨が土に吸収されるようにしているとの説だ。長年にわたって同じ墓を使う上での知恵との見方もある。

また、墓石の形状は関西では伝統的な和式タイプの人気が根強く、洋風のデザインを選ぶのは1割程度だ。他地域では墓石の脇で見かけることがある、石製の名刺入れは関西では少数派という。

通夜・葬儀の入り口の飾りも、関西では花輪を使わず樒(シキミ、シキビとも)を使う。葬儀の香典袋に使う水引も、他地域で主流の白黒ではなく黄と白だ。法話で聞いた卒塔婆を立てないしきたりは浄土真宗由来で、関西は歴史的に信徒が多いのがその理由のよう。長年にわたり関西で伝承されてきた葬祭文化は、現在も各地でしっかりと息づいている。

(大阪経済部 山田和馬)


[日本経済新聞大阪夕刊関西View2013年10月15日付]

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