「夫がフェイスブックのとりこ。家族で出かけても読み手に『いいね!』ボタンを押してもらえそうな材料を探しては撮影、ネット掲載と、全く落ち着きがない。小学生の娘に『パパと出かけてもつまんない』と言われる羽目に」(44歳、主婦)

クレジットカードと同じ…

「いつでもどこでも使えるスマホは、何かへの依存を深めるツールになりやすい。買い物依存者にとってのクレジットカードと同じ」。依存症の人々を取材する作家の衿野未矢さんの見立てだ。「例えば若い人に増えているランニング依存」。走った距離や消費カロリーを記録するスマホのアプリを通じ、月間走行距離の数値が目的化。体調が悪くても走らずにはいられない人さえいるという。

衿野さん自身も以前、SNS(交流サイト)に夢中になった。「コメントを書かなくちゃと義務感に縛られた。友人の数を失うのが怖かったから」。背後に抱えていたのは孤独感。ある日「これは買い物依存と同じパターンだ」と気づいたという。

「家族で誰かがスマホに没頭していたら、何に夢中になっているのかを見極めて」と衿野さん。「夢中になることで何が問題なのかを見極めれば、対策が見えてくる」

便利な道具のつもりで使っていたら、いつの間にやら道具の奴隷に。そうならないよう、スマホとは良いスタンスを保ちたい。「必需品になりすぎたせいか、スマホを握りながら『スマホ知らない?』と聞いて、家族に笑われた」(37歳、主婦)。こんなご愛嬌(あいきょう)で済むうちはいい。

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スマホ依存度、チェックしてみよう

パソコン、携帯電話、スマホとIT機器が進化するたびに、ネット依存は指摘されてきた。その依存状態も「昨日の異常は今日の正常」となり、「トイレやベッドに携帯電話を持ち込むようになったら依存」とされた尺度はもう過去のことだ。

そこで、ピースマインド・イープが現代型ネット依存の尺度として打ち出すのが上記の7項目。このうち5つが当てはまるようなら要注意という。

グルメ浪費などで経済破綻した20代の女性会社員。「実際はSNSに書き込むネタ探し生活が原因だった」と渋谷さん。写真を撮るために食べ歩き、イベントにも参加する。活動的ではあるが、単独行動なので実際の対人コミュニケーションは減っていたという。

「自己肯定感が低く、他人との境界線を引けない人が依存になりやすい」(渋谷さん)。脱却するにはスマホを使わないといった劇的方法では無理。5~10分と少しずつ使用時間を減らしていく「スモールステップ」が重要だ。「自分で湯を沸かしてお茶を飲む、顔を洗う、そんなささいなことに少しずつ時間を振り向けるよう努力を」と渋谷さんはアドバイスする。