携帯電話からの乗り換え組の急増で、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)にハマる人たちが増えている。いつでもどこでも暇さえあればスマホ操作、いや暇がなくても操作したいといった中毒気味の人も少なくない。便利な道具に魅入られた行く末は……。
「就業時間中もスマホを使いたくてウズウズする」(47歳、女性会社員)
ハマりやすいのは当然?
携帯電話でもインターネットにはつながるし、写真は撮れる、音楽も聴けた。だが、スマホの便利さはそれをはるかに超える。
どんなサイトもパソコンのように起動待ちをせずに見られる。パソコンとリンクさせれば記録したことを簡単に共有できるし、豊富なアプリケーションでいくらでも自分仕様に進化させられる。仕事にもオフにも便利なだけにハマりやすいのは当然といえる。
だが、世の中にはアルコール依存、買い物依存など様々な依存がある。「依存が成立する条件はその状態に慣れてしまう『耐性の上昇』と『ないと不安』の2点」(杏林大学医学部精神神経科学教室の古賀良彦教授)というから、すでにスマホ依存といえる人も多いだろう。ちまたにスマホ活用の情報があふれ誰もが依存しやすい状態でもある。
「2人のときも、夫はスマホでネットを見ている。会話をする気がないのかと口論になることもしばしば」(28歳、女性会社員)
「スマホに依存すると生身の人間関係がおろそかになるのが気がかり」と言うのは駿河台日本大学病院精神神経科の渡辺登教授。人は視線や体の動かし方、声の調子などを駆使して気持ちを表現し、それを読み取る。そうした言語以外のコミュニケーション力が衰えるのではと危惧するのだ。
「無料のゲームアプリにハマり、かなりの時間を費やしてしまった」(37歳、女性派遣社員)
「フェイスブックが利用しやすいので、コメントのやり取りが増え、無駄な時間を費やしたと反省してしまう。無料通話ができるアプリで無駄話も増えた」(40歳、主婦)
「フェイスブックが利用しやすいので、コメントのやり取りが増え、無駄な時間を費やしたと反省してしまう。無料通話ができるアプリで無駄話も増えた」(40歳、主婦)
「スマホで最も大きな問題は時間の浪費」と指摘するのは、メンタルヘルス支援のピースマインド・イープ(東京都中央区)渋谷英雄・国際EAP研究センター副センター長。それで睡眠時間が減少し、仕事などに支障を来す。