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日本社会、ビジネス文化がチームやグループを重視する一方で、アメリカなどでは個人個人の働きが重視され、また評価されます。そのため、responsible 「責任がある、責任を負うべき」やresponsibility 「責任」などをよく使うのではないかと思います。

日本で言う「社会人」英語では social person ですが、これは「友人の多い人」の意味。英語では a responsible adult (in society)「責任を持つ成人」が近い訳になるでしょう。( ) 内がない形 a responsible adult と言う方が一般的です。

イラスト Dセイン

イラスト Dセイン

Case 1:
Sally: How are you settling in?
Ito: Okay, I guess. I'm still not sure I understand my job responsibilities.
Sally: Since we're a small company, we have to wear several hats.
 Ito: I guess it's a good way to get experience, but It's hard for me to multitask.
Sally: Don't worry, you'll soon get used to it. I remember feeling overburdened when I first started here.
 Ito: But if I get really busy and make a serious mistake, I'll have to take responsibility.
Sally: Well, you just need to be careful and double check everything.
 Ito: Okay, I'll try, but I just feel like I have too much on my plate. It feels like I could work 24-hours a day and still not finish everything.
 
【対訳】
サリー:どう、落ち着いた?
 伊藤:えーと、何か、自分の仕事の責任と言うものがまだ理解できているとは思っていないんですけど。
サリー:うちは小さな会社だから、みんな色々な仕事をしなくちゃならないの。
 伊藤:経験を積むにはいい方法ですけど、複数の仕事を同時に行うのは大変です。
サリー:心配しなくても大丈夫、すぐに慣れるから。ここで働き始めたときは私もとっても負担に感じたことを思い出すわ。
 伊藤:でも、とても忙しくて、重大なミスを犯したら、責任は取らなければならないででしょうね。
サリー:ただすべてに慎重であり、ダブルチェックをすることだけは必要ね。
 伊藤:分かりました、やってみます。でもあまりにも忙し過ぎます。1日24時間働いて、まだ全部終わらないという感じです。

解説)

job responsibilities: 仕事上の責任

wear several hats: いくつかの帽子をかぶる、すなわち「色々な仕事を担う、様々な役割を持つ」*hatには「職業、肩書、仕事」の意味があります。

multitask: 複数の仕事を同時に行う

get used to…: ~に慣れる …には「名詞」か「動名詞」が来ます。

feel overburdened: 過度の負担に感じる

I have too much on my plate: 私のお皿は山盛りです、すなわち「やるべきことが山ほどあります、とても忙しいです」の意味。他にも忙しさを表すのであれば、I'm buried in work.: 「仕事で身動きがとれない」I'm all tied up now.「今、手が離せません」なども使えます。

Case 2:
Tanaka: Wow, look at this order that Ito got! It's for a half million parts!
Mariko: A half million? That doesn't seem right.
Tanaka: It better be, because I've already put in the order and production has already started. It's too late to cancel it now.
Mariko: Oh, Ito-san, we were just talking about you. Did you really get an order for 500,000 parts?
  Ito: No, of course not. It was for 5,000 parts.
Tanaka: You gotta be kidding me! Who's going to pay for this?!
  Ito: Don't worry. I'll take full responsibility for it. It's all my fault.
Mariko: If you worked here for 20 years, you still couldn't pay it off. Where did Tanaka-san go?
  Ito: He's in the bathroom. I think he's crying.
 
【対訳】
田中社長:おお、伊藤君が取って来たこの注文! 50万部品だ!
まり子:50万? 何かちょっと違うような。
 社長:間違いであってほしくないね、もう注文を入れて、生産はすでに始まっているからね。今、中止するには遅すぎるよ。
まり子:あら、伊藤さん、ちょうどあなたのことを話していたところよ。本当に50万部品の注文を取ったの?
 伊藤:もちろん、そんなことあるわけないですよ。5,000 部品ですよ。
 社長:うそだろ! 誰がこれを支払うんだ?!
 伊藤:ご心配なく。私がすべて責任を持ちますよ。すべて私の落ち度なんですから。
まり子:ここで20年働いたって、完済なんてできないわよ。社長はどこ?
 伊藤:洗面所です。泣いているんだと思います。

解説)

half a million: 100万の半分、すなわち「50万」。5 hundred thousand のように表すのは間違いやすいので、100万の半分 half a million と言えば間違いを回避することができます。

That doesn't seem right: 正しくないようだ、すなわち「何か違うような気がする」

It better be はIt had better be. の略。「~であるべきだ、~であってほしい」の意味。be の後には「そうあってほしいこと」が来ます。この場合であればright「その通りである/正しい」の意味。「その注文が正しい、間違っていであってほしくない」「そうじゃなきゃ困る」ということ。

It's too late to cancel it.: 中止するには遅すぎる、遅すぎて中止できない

You gotta be kidding: 冗談でしょう。

…pay (it) off: (それを)完済する

セインのビジネスひと口メモ

I'm responsible. には、実は2つの意味があります。「私の責任です/私が悪いんです」すなわち「私のせいでこうなりました」がひとつ。もうひとつの意味は「私は責任感が強いです」という性格などを表す場合です。

Who's going to take responsibility for this? にも、ふたつの意味があります。「誰がこれを担当しますか?/担当してくれる人、誰かいますか?」そしてもうひとつは「これは誰が弁償しますか?/誰のせいですか?」です。

I'll take responsibility. も同様。「私に任せてください/ちゃんとやります」ともうひとつは「私のせいです/私が悪いんです」の意味。

自分が責任を取るだけではなく、相手に責任を取らせる場合もあります。If this doesn't work, I'm going to hold you responsible.「これがうまくいかなかったら、あなたに責任を取ってもらいます」のように hold…responsible でこの意味が表せます。

The President feels responsible to the corporations that give him money. 「大統領はお金をくれる企業に責任があると感じる」のようにfeel responsible to… は「~に責任を感じる」の意味になります。

社会においては、「責任」は大きな意味を持ちます。ましてや、常に結果責任が問われるビジネスにおいては「責任」の意味をしっかり受け止める必要があります。be responsible, take responsibility を正確に理解するようにしましょう。

Keep trying!

: D セイン

デイビッド・セインの「ビジネス英語・今日の一場面」は木曜更新です。5月5日(祝)は休載、次回は5月12日の予定です。
デイビッド・セイン(David Thayne)
米国出身。累計売り上げ部数350万部の著作を刊行してきた英語本のベストセラー著者。英会話学校経営、翻訳、英語書籍・教材制作などを行うクリエーター集団「エートゥーゼット」(www.smartenglish.co.jp)の代表を務める。日本で26年以上の豊富な英語教授経験を持ち、これまでに教えた日本人は数万人にのぼる。日本人に合った日本人のための英語マスター術を多数開発している。
 東京・文京区のエートゥーゼット英語学校の校長を務めるとともに、英会話教育メソッド「デイビッド・セイン英語ジム」(http://www.david-thayne.com)の監修も行っている。主な著書に、「チームリーダーの英語表現」(日本経済新聞出版社)、「ネイティブが教える英語の語法とライティング」(研究社)などがある。

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