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古代ローマにトイレ税、世界5つのヘンな税

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NIKKEI STYLE

ナショナルジオグラフィック日本版

私たちはこの世に暮らす限り、税から逃れることはできない。長い歴史の中で、為政者たちはひげを生やす権利から衣服を着る権利に至るまで、あらゆるものに課税してきた。なかには、「現代に存在しなくてよかった」と思う税も数多い。いくつかご紹介しよう。

トイレ税(ローマ帝国)

古代ローマ人は、小便(尿)を重宝した。アンモニアが含まれるからだ。彼らは、この液体がほこりや油分を落とし、衣服の洗濯や、果ては歯のホワイトニングにも使えることを発見した。公衆トイレにたまった尿の取引が行われるようになると、ウェスパシアヌス帝(在位:紀元69~79年)はこれに課税し、かなりの税収を得た。

だが、これを不快に思う人々もいた。歴史家スエトニウスは、紀元120年ごろの著書『ローマ皇帝伝』にこう記している。「尿にまで課税することをウェスパシアヌスの息子ティトゥスがとがめた。すると、ウェスパシアヌスは初回の徴税で得られたコインの1枚を息子の鼻先に突き付け、『臭うか』と尋ねた。息子が否と答えると、ウェスパシアヌスは言った。『だが、小便から得たんだぞ』」

ひげ税(イングランド、ロシア)

ヨーロッパ史を振り返ると、君主たちは臣民のひげに一度ならず課税を試みている。

1535年、イングランド国王ヘンリー8世は顔の毛に対する税を導入。税額は本人の社会的地位に応じて高くなった。王自身もあごひげを生やしていたが、課税の対象外だったことは言うまでもない。

ロシアの改革者であるピョートル大帝も、1698年にひげ税の徴収を始めた。西欧にならおうと努めていた大帝は、ロシアでは普通だったあごひげを、前時代の象徴と考えたのだ。あごひげをたくわえた男性は高額の税を払ったうえに、あごひげを生やしてよい権利を買ったことを示す証明書を携帯しなければならなかった。

我が子税(オスマン帝国)

オスマン帝国では、非ムスリムの臣民は最愛のもの、つまり我が子を税として君主に差し出すことを求められた。この制度は、対象となる家々の間で「血で払う税」として恐れられた。

15世紀初めから17世紀の終わりまで、オスマン帝国の支配地域では役人がキリスト教徒の少年たちを定期的に徴集し、イスラム教に改宗させた上でスルタン(君主)に差し出した。

少年たちは、国のために工房や農場、建設現場などで働きながら、5~8年の軍事訓練を受ける。トルコ、アクデニズ大学の歴史学者ギュレイ・イルマズ氏は、「彼らは軍の土台でもありましたし、帝国の行政を担うエリート官僚の大半がこうした少年たちから育成されていました。徴集され、行政官になるための特別な教育を宮殿で受けていたのです」

少なくとも、少年たちは奉仕と引き換えに一種の免税にあずかっていた。「選ばれた少年たちは、健康なクリスチャンの成人男性全員に課せられた人頭税(ジズヤ)を免除されていました」とイルマズ氏は言う。

遺体税(古代メソポタミア)

米オクラホマ州立大学の歴史学者トーニャ・シャラーチ氏によれば、古代メソポタミアではずいぶん奇妙な納税方法が生まれていた。「例えば、ある遺体を墓地に埋葬する際にはビール7たる、パン420個、大麦2ブッシェル、羊毛の外套1枚、ヤギ1頭、ベッド1台が課税されたと考えられます。1人の遺体にです」

どんな物でも課税対象になる可能性があり、納税方法もバラエティーに富んでいた。「紀元前約2000年~1800年には、ある男性がほうき1万8880本と丸太6本で税を払ったという記録があります」とシャラーチ氏。「必要な物品を彼が政府に納めるという、何らかの取り決めがあったためでしょう」

乳房税(インド)

あらゆる税の中でも最も変わっているのが、インド、ケララ州の君主がかつて行っていた乳房への課税「ムラカラム」だ。下層階級の女性が人前に出る場合、胸を覆いたければ税を払わねばならないという屈辱的な制度で、貧しい女性たちにとって金銭的負担となった。

この「乳房税」が呼び起こした1人の女性の抗議行動は、今や伝説となっている。確かな証拠は乏しいが、彼女の地元である同州チェサラの町では今も頻繁に語られている。約200年前、税を払えなかったナンゲリという女性は乳房税に憤り、自身の両方の乳房を切り落として差し出し、収税吏を仰天させたという。彼女自身はこの傷のため命を落としたが、これがきっかけとなって乳房税はやがて廃止されたと伝わる。

「生涯免税」をかけたアイデアコンペ

インドのマウリヤ朝(紀元前321~185年ごろ)では、アイデアを競う大会が毎年開かれ、優勝者は税金を免除された。「政府は、国政に関する問題の解決方法を国民から募っていました」とシャラーチ氏は説明する。「ある人の解決策が選ばれて実施されれば、以後その人は一生税金を払う必要がなかったのです」

ギリシャ人の旅行家・著述家のメガステネス(紀元前350~290年ごろ)は、著書「インド誌」で、この制度を驚きをもって記している。

税制改革の取り組みは大抵そうだが、この仕組みも完璧とは程遠かったとシャラーチ氏は指摘する。「この制度の欠陥は、一つの問題を解決したら、さらに解決しようという意欲が起きなかったことです」

(文 Brian Handwerk、訳 高野夏美、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2016年4月19日付]

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