変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

中国など新興国の景気減速で業績低迷が続くものの、世界の建機大手では高収益体質は維持しているコマツ。「ダントツ経営」を標榜し、コマツの収益改善を進めた相談役の坂根正弘氏に独自のマネジメント論を聞きました。坂根流の経営管理術を再公開します。

 坂根さんが「ダントツ」という言葉を使うようになってコマツの経営が変わったともいわれます。どこから「ダントツ」という言葉が出てきたのですか。

「私の問題意識は米国での2度の駐在から始まりました。米国から日本を見ると、日本企業の課題がよくわかります。日本の問題点は『平均点主義』と『自前主義』のこの2つにつきます」

「そもそも日本の大学は平均点の高い人材を求めます。私などはその昔、理系科目のみで受験できる大学はないかと探しましたが、そんな学校はほとんどありません。日本では出る杭(くい)は打たれる一方、米国には飛び抜けた人材が少なくありません。これでは世界との競争には勝てないと実感しました」

 名門企業の不祥事が続いています。坂根さんがまとめたマネジメント論のなかに『まずバッドニュースから報告しなさい』とあります。部下が上司に悪い報告を先にすることはなかなか難しくはないですか。

「ビジネス社会のルールを遵守することに関しては、私の社長時代に恥ずかしい事件がいくつかありました。会社がV字回復ともてはやされる中で、不祥事も大きく取り上げられました。ただ、私の気持ちの中で多少の救いであったのは、いずれもかつては許されたものの今の世の中の基準では不正とされたものだったことと、世間から指摘される前に自ら違反であることを公表したことでした」

「そこで私は社員の『行動基準』の内容を変えることにしました。それまでの『ミス、不正を無くせ』から『人間だからミスはある。そして世の中の基準が変わるとしたら不正もある。従ってそのことを起こしたことより隠そうとする行為を厳しく問う』と変えました」

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック