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サティ生誕150年のパリを弾く 花房晴美さん

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NIKKEI STYLE

ピアニストの花房晴美さんが「シリーズ パリ・音楽のアトリエ」という演奏会を2010年から続けている。4月22日の公演で11回目。今年はフランスの作曲家エリック・サティの生誕150周年。フランス音楽の演奏会をフランス絵画の展覧会に並ぶ人気にしたいと願う花房さん。サティやラヴェルの作品を弾きながらその魅力を語った。

「日本では印象派をはじめフランス近代絵画がすごく人気なのに、同時代のフランスの音楽はなぜあまり聴かれないのか。そんな疑問が出発点です」。東京都心の花房さんの自宅。地下2階なのに陽光も取り込める広々とした練習室で、彼女は「パリ・音楽のアトリエ」のシリーズ公演を続ける理由を話し始めた。三方を鏡の壁に囲まれた西欧風の部屋にスタインウェイやヤマハのピアノが5台並ぶ。香水や壁掛けの絵画、食器や写真などに彼女のフランス趣味が感じられる。

1971年に桐朋学園高校を卒業後、パリ音楽院に留学。フランスを演奏活動の拠点にしてきた。シフラ国際コンクール2位(1位なしの最高位)など受賞歴も多い。「ドビュッシー前奏曲集」などのCD録音も高く評価され、フランス近代音楽を最も得意としている。

そんな花房さんが精力的に取り組んでいるのは、ドビュッシーやラヴェルだけでないフランスの隠れた作曲家らの作品の演奏。「パリ・音楽のアトリエ」はその名の通り、パリの音楽をアトリエでの美術創作のように捉え、楽曲の美しさや楽しみを日本で伝える場だ。

彼女が弾き始めたのは、サティのピアノ曲「グノシエンヌ第1番」。ゆっくりした曲ながら、「舞踏のリズムが根底にあります」と言う。妖しくも皮肉な雰囲気が立ちこめるダンスミュージックだ。「サロン風の軽い感覚もサティの音楽の魅力」と話す。

ベートーベンやブラームスらドイツの音楽にはあまりない軽妙で洗練された都会の感覚。「弾くのは簡単。でも弾くだけでは音楽作品にならない。感覚、センスの良さが必要になる」とサティやドビュッシー、ラヴェルのピアノ曲について語る。続けてサティの「グノシエンヌ第4番」を弾いた。緩やかで透明なアルペジオ(分散和音)の響きは、より洗練されたおしゃれな感覚だが、一方で野を駆け抜ける乾いた風を思わせる。

花房さんとの対話は、サティ門下といえる「フランス6人組」の作曲家たちに及んだ。「サティやドビュッシー、ラヴェルはまだ有名。『6人組』となるともっとずっと日本では知られていない」。そう言われて6人の名前をつっかえながら挙げ始めた筆者。出てきた名前は、ミヨー、プーランク、オネゲルまで。残り3人はデュレ、タイユフェール、オーリック。6人とも19世紀末に生まれ、20世紀半ば過ぎまで活躍した。同時代の画家にはブラックやドランらがいる。サティに触発されて「新古典主義」という反ロマン派、反印象主義の新しい作風を追求した作曲家たちだ。

逆にサティよりも時代を遡れば、シャブリエやショーソンらがいる。同時代の画家はマネ、モネ、セザンヌ、ルノワールら大勢いる。美術とファッションの国フランスの画家たちに比べ、いかに同国の作曲家たちがその層の厚さにもかかわらず日本であまり親しまれていないかが分かる。

4月22日の東京文化会館小ホール(東京・上野公園)でのシリーズ第11集の公演では、サティの「グノシエンヌ」のほかに、「スポーツと気晴らし」など珍しい小品集も弾く。さらにストラヴィンスキーのピアノ連弾版「春の祭典」を妹の花房真美さんと2台ピアノで演奏する。「ストラヴィンスキーはロシア生まれですが、パリで三大バレエ音楽『火の鳥』『ペトルーシュカ』『春の祭典』を初演するなど、ゆかりの作曲家。ポーランド出身のショパンもパリで活躍したのでシリーズ公演で取り上げたことがある」と話す。

「音楽の都パリ」の輪を日本でどこまで広げられるか。「オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展」が国立新美術館(東京・六本木)で4月27日から8月22日まで開かれる今年。5月17日にサティ生誕150周年を迎えるのを機に、近代フランスの粋な作曲家たちとも親しくなりたい。

(映像報道部シニア・エディター 池上輝彦)

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