サイクリング・デビューするときに、ぜひとも購入しておきたいのが、万が一の転倒などから頭部を保護するヘルメット。自転車用ヘルメットの買い方と使い方を紹介しよう。
頭の大きさを知ろう
自転車用のヘルメットを購入する際には、自分の頭の大きさを知っておくと便利。メジャーで頭の周囲を測っておこう。
自転車店に出向き、気になるヘルメットがあればショップのスタッフにひと声かけて、ヘルメットを実際に試着してみよう。
ヘルメットには、あごひもやダイヤル式のアジャスター(調整具)を使ってフィット感を調整する機能があるが、まずはそのままかぶってみて、頭にフィットするかどうかが大事。頭の形状は人それぞれなので、同じサイズ表記でもメーカーや製品によってかぶり心地は違う。
ストラップやアジャスターの調整方法については、ショップのスタッフに教えてもらったほうがいい。
正しいかぶり方をマスターしよう
ヘルメットはまっすぐかぶろう。ヘルメットの先端がまゆ毛の上にくるくらいが、ちょうどいい。
特に女性で多く見かけるのが、前が上がっておでこが見えているケース。これはNG。
ストラップの耳元はねじれのないように。そしてあごひもは指が1本入る余裕を。
前後逆にかぶってもいけない。
3年たったら買い替えがお薦め
ところで、自転車のヘルメットはどれくらいの期間、使用できるのだろうか。
数千~数万円する自転車用のヘルメット。それなりの金額を払っているのだから、なるべく長く使いたいと思ってしまうが、耐用年数があることも知っておきたい。オージーケーカブトのKabuto製品の場合、耐用年数は「使用開始後3年」とされている。
同社の岡英昭さんに、耐用年数について聞いた。
「ヘルメットは使い始めると、衝撃吸収ライナーなどが劣化や、繰り返し使用により微小に変形し始めます。また、実際に使っていると紫外線や雨、土、真夏の直射日光による熱などの自然環境はもちろん、汗や皮脂などにさらされることで、目に見えないレベルで材質が徐々に劣化していきます。ヘルメットを構成する部品は、プラスチックや合成繊維が大部分を占めますが、残念ながら紫外線などに対してまったく劣化しない材料は存在しません」
このような理由から、Kabuto製品の場合は、いざというときに100%の安全性能を発揮させるために「使用開始後3年」をめどに新品に買い替えることを推奨しているという。
未使用で冷暗所に保管してあれば1~2年程度は大丈夫だと思われるが、それでも衝撃吸収ライナーに使用されるEPS(発泡プラスチック)は、未使用でも少しずつ内部のガスが抜けて劣化するというから、購入時には明らかに古いモデルの長期在庫は避け、購入後はなるべく早く使用開始し、3年で買い替えるといいだろう。
また、一度衝撃が加わったヘルメットは、その理由に関わらず買い替えるのが鉄則。いちど衝撃を吸収してつぶれてしまったライナーは、次に衝撃が加わった際に正しく機能しないからだ。
ぜひヘルメットを着用して、安全にサイクリングを楽しんでほしい。
(ライター 須貝弦)
[日経トレンディネット 2016年3月28日付の記事を再構成]