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スマートウォッチ利用者が「通知機能」にハマる理由

2016/4/20

2015年4月にApple Watchが発売されて1年が経つ。調査会社のGfKジャパンの調査によると2016年2月のスマートウォッチの売り上げは、前年同月比で約2倍まで伸びているという。それでは購入した人たちはどんな用途に使っているのか。実際にスマートウォッチを利用している人たちに用途を聞いていくと「通知機能が便利」という答えが返ってきた。メールや電話に追いかけられてかえって大変のような気もするが、どうやらそうではないらしい。どのように使っているか、利用者に聞いてみた。

■スマホをチラチラ見なくてすむようになった

「スマートウォッチのおかげで、メールや電話を見逃さなくなりました。そのためだけでも、買ってよかった」というのは、ネットサービス会社に勤める寿かおりさん。

スマートフォン(スマホ)に届いたメールや電話を転送していては、どこにいてもメールや電話が追いかけてきて息を詰まるのではないか。そう聞いてみると「いいえ、その反対。メールや電話を気にしながらスマホをチラチラ見ているほうが、よほど息が詰まります」という答えが返ってきた。

「ちょっとスマホから目を離している隙に大切な連絡が入り、後で気がついて慌てるなんてこともよくありましたが、スマートウォッチを身につけるようになってから、そういうことはなくなりました」

寿さんがつけているのはPebble Time(Pebble)で、購入したときの価格は税込み2万2907円

寿さんの仕事は広報。そのため、すぐに対応しなければならない連絡が入ることもある。「しかも私はワーママ(ワーキングマザー)なので、学校や学童からの連絡が入ることがあります。スマホをデスクに置いたまま会議に参加していても、連絡があればスマートウォッチに届くと知っているので安心です。私のようにすぐに対応しなければいけない案件が多い仕事は、こういうツールがあるとすごく便利だと思います」

■手元で重要なメールかどうかがわかる

宇宙開発エンジニアの井上浩一さんは寿さんのように電話やメールに追いかけられることは多くない。それでも「やはりメールの通知機能は便利」という。

「スマートウォッチに届くメッセージは100文字程度ですが、それだけ読めば、だいたい内容はわかります。以前は、メールが届くといちいちスマートフォンを開いていましたが、今は重要なものだけ見るようにしています。要は、手元だけで情報を振り分けられるということが重要なのです。これだけで、ずいぶん楽になりました」

井上さんも、寿さんと同じPebble Time(Pebble)を使っている。「iPhoneとAndroidを持っているので、両方と連携できるPebbleが便利」

「家内のLINEを見逃さなくなったのは大変助かっている」というのは建設関連会社に勤めている石川睦さん。

「スマートフォンをサイレントモードで携帯しているので、家内からLINEが来ていても気づかず、見逃すことがありました。そういう時に限って、大事な用件だったりするんですよね。スマートウォッチは、LINE通知を振動で知らせてくれるので、最近はすぐに気がつくようになりました」

石川さんが使っているのは「Pebble Time Round」(pebble)で、購入したときの価格は税込み2万8080円。「スマートウォッチでは珍しい丸いフォルムが腕時計らしくて気に入っている」という

■作業を止めずに電話の着信確認も

調査・試験分析研究機関に勤めている大谷道生さんは、電話での連絡が多い。しかし、現地調査や採水作業をしているときは、調査のための道具を持っていたり、記録のために手が塞がっていたりするので、電話がかかってきてもすぐに対応できなかったという。特に、船の上で作業している時は、水に落としそうでスマホを出すのをためらっていた。

「今は、手首をひねってスマートウォッチの画面を見るだけで相手を確認できます。迅速な対応が求められるお客様からの電話だったら作業を一時中断して電話に出ることもできますし、そうでなければスマートウォッチの画面を使って切断し、後でかけなおします。そういう判断が、手元でできるというのが便利ですね」

スマートウォッチを導入したメリットは、ほかにもある。「鳴動時間を長く設定できないLINEとGmailの着信は、マナーモードだと気がつかないことが多く、困っていました」。以前、息子から「明日使うノートがなくなったから、帰りに買ってきて」というLINEが届いているのに気付かず、そのまま家に帰ってしまったこともあったという。「でも今は、スマートウォッチですぐに気づくようになりましたから、そういう心配はありません」

大谷さんのスマートウォッチは、Smart Watch 2(ソニー)で、価格は税別1万4095円(ソニーストア)。主に、電話着信の確認に使用している

■1日の予定は、スマホを開かず手元で確認

スマホから通知されるのはメールや電話だけではない。スマホで入力したスケジュールも通知される。

「スマートウォッチは、主に予定を確認するのに使っています」と話すのは、大学職員の市原真央さん(仮名)。「職業柄、部屋を移動することが多いのですが、部屋数が多いのでそのたびに場所を確認しなければならない。そこで、スマートフォンで予定を入力する際、部屋番号も一緒に記入することにしました。そうすれば、次の予定をスマートウォッチで確認するとき、部屋番号もわかりますから」

市原さんが気に入っているのは、時計の針を動かして未来や過去の情報を表示するApple Watchの「タイムトラベル」機能。文字盤をカスタマイズし、すぐに確認したい情報がひとめでわかるように配置している。「左上にはYahoo!天気、文字盤の下にはカレンダーを配置しました。こうしておけば、時計の針を進めたり戻したりすることで、未来の天気や予定がすぐにわかります」

市原さんが使っているApple Watch(Apple)は、42mmステンレススチールケースのリンクブレスレットモデル(価格は税別11万9800円)。Apple Watchは、ベルトによって価格が変わる。写真は、タイムトラベル機能で未来の予定を確認しているところ

■スマホをとる回数が減り見落としも減らせる

スマートウォッチユーザーが通知機能が便利と口をそろえる点について、東京工芸大学でメディアリテラシーの講師をつとめる伊藤浩一さんは、「スマートウォッチは常に手につけているものだから、スマホに届いたメールや電話の着信、予定などを見落とさなくなるのが最大のメリット」と解説する。

「メールや電話の見落としがないかと不安に駆られ、スマホを何度も手にとってしまう人は、スマートウォッチを身につけることで不安が減り、気持ちが楽になります。スマホを手にとる回数が減るので、おのずとスマホを使う時間が短くなり、その分バッテリーが長持ちするようになるのもメリットのひとつ」

伊藤さんによれば、現在のスマートウォッチは、それだけでなんでもできる機械ではなく、スマホのアシスタント的な存在だという。「何度もメールや電話の通知を確認したり、1日の予定を何度も確認しなければならないほど忙しい人は、スマートウォッチが役立つはず」。スマートウォッチを選ぶときのコツとしては、「時計として身につけるものだから、フィット感が大事。店頭で試してから選ぶことをお勧めします。バッテリーの持ち時間についてもネットなどの情報を確認したほうがいいでしょう」とアドバイスする。

(ライター 井上真花=マイカ)

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