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デルが量販店で成長 「パソコン地盤沈下」を逆手

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日経トレンディネット

国内のパソコン販売の落ち込みが続く中で、デルが好調だ。個人向けパソコンの販売実績で、2015年第4四半期(10月~12月)は販売台数を前年同期比で約1.5倍に伸ばした。成長を導いた要因をデル執行役員 原田洋次氏に聞いた。

長年、パソコンを使っているユーザーからすると、デルといえば、Webサイトでスペックを選んで購入する直販パソコンメーカー。望む仕様のパソコンを手ごろな値段で購入できる一方で、デザインは二の次。デルの製品を扱う一部の家電量販店の店頭で見ても、国内メーカーのカラフルな製品に比べると地味で武骨な印象を受けた人が多いはずだ。

そのデルが最近、パソコンの売り上げ、特に量販店での販売を伸ばしている。前述の通り、個人向けパソコンの販売台数全体は前年同期比で約1.5倍。これは従来からの直販と家電量販店などでの店頭販売の合計だ。家電量販店での販売実績だけを見ると、2015年第4四半期(11月~2016年1月)の対前年比で販売台数は約2倍と、より伸び率が大きい。他のメーカーと状況を比較してみても、上位メーカーの対前年成長率が軒並み二桁の落ち込みを見せる中、デルはプラス成長を遂げている。

背景には何があったのか。一つは「直販最優先」から「量販店重視」に舵を切ったデルの選択、もう一つはパソコンメーカーの販売不振という環境変化だった。

国内メーカー衰退でブランド力向上

デルは現在、Web直販では3割以上のシェアを安定的に確保している。ここからさらにシェアを大きく伸ばすのは困難だ。そうなると、直販は維持しつつ、量販店での店頭を伸ばすしかない。こうした店頭販売を重視する動きはデル全体のもので、売り上げが上位の米国、中国、インド、南米各国などがすでに取り組み、3年ほど前から結果を出してきた。それを踏まえて日本でも量販店重視の方針を固めた。

具体的には、量販店と、どんな製品が求められているのか、どんな製品が人気なのかといった意見交換をして製品開発に生かすように変わったという。これまでは、製品を購入したユーザーからの意見を製品開発に生かすことはあったものの、家電量販店へのヒアリングは特にしていなかったという。デルが作った製品を店頭に持ち込んで売るだけだった。原田氏は、「本来は店頭販売ビジネスの基本で、他社から見ると当たり前かもしれない。でも、これまでのデルにはできていなかった」と省みる。

家電量販店側との意見交換の中で気付いた"盲点"もあった。デルのブランドイメージが予想に反してに高かったのだ。「デルの強みは価格の安さ、デルは国内パソコン市場への挑戦者なんだというイメージは社内にも強くあった。しかし、品質への評価やブランド力も我々が思っていたより高かった」

背景には、皮肉にも国内パソコンメーカーの衰退がある。これまで一般ユーザーからの信頼が高かった国内メーカーがパソコン事業を売却したり縮小したりする一方、海外からは一般ユーザーには耳慣れない中国系や台湾系のブランドが続々進出してきている。そんな状況の中、デルの位置づけが相対的に高まっていたのだ。

店頭に並ぶ製品からもその傾向は見て取れる。ノート、デスクトップ含めていろいろなパソコンがあるが、売れ筋は画面サイズが15.6型クラスで実売価格10万円前後(8万~13万円)のノートパソコンだ。A4ノート、スタンダードノートなどとも呼ばれ、インターネットやマイクロソフトオフィスの利用などの基本機能は十分こなせる、つぶしの効くパソコンである。

このクラスで、デルは手堅い選択肢になりつつある。国内メーカーの同クラスのパソコンはCPUがCeleron、メモリーが4GB、HDDは500G~1TBと、お世辞にも高いとは言えないスペックなのに対し、デルのパソコンだとCPUはCore i3やi5、メモリーは4G~8GB、HDDは1TBで、性能がワンランク高い。デザインも以前に比べるとだいぶ洗練され、国内メーカー製のパソコンにあまり見劣りしない。どの機種を買うか決めずに店頭にやってきた人にとって、「予算内でまずまずの性能が手に入るしデザインも悪くない、ちょうどいい機種」というポジションに位置しているのだ。

日本で売れるのは白いパソコン

デルの場合、ワールドワイドでパソコンを開発・販売していることもあり、売り上げ上位の国のニーズの「最大公約数」を取る形で、世界共通のデザインや製品開発を行っている。しかし、国によって求められる製品や人気のある製品はやはり異なる。そこで、日本の家電量販店側からの要望と、「最大公約数」で決まる製品開発とのギャップを埋める試みも積極的に取り組んでいる。

「国内の要望に合わせてゼロから作った製品はまだないが、スペックを日本向けにするといった対応はかなり進んでいる。例えば、ブルーレイディスクドライブは、海外のパソコンにはほとんど搭載されていない。しかし、国内では必須だという意見が強かったので搭載モデルを用意した。エントリークラスのモデルで128GBのSSDを選べるのも、オフィスの利用度が高く、世界的に見てデータの保存容量が大きい日本ならでは」

本体のカラーバリエーションもいい例だ。

「国によって人気のある色は違う。シルバーが売れる国が多いため、デルのパソコンはシルバーが中心だった。しかし、日本では白が人気。家電量販店側から『とにかく白いパソコンを』という要望があり、家電量販店向けに白いモデルを用意した。そのほか直販では手に入らない店頭販売のみの限定モデル、特定の量販店のみの限定モデルも提供している」。デルの開発部隊を日本に呼び、家電量販店側と直接話し合って、将来販売する製品を検討する場も定期的に設けている。

家電量販店の店頭で販売してもらうには、販売員に対する"教育"も欠かせない。店頭での広告、ブース作り、販促物やカタログなど、量販店向けの営業やサポート体制もここ1年で充実させてきた。店舗への販売報奨金なども用意しているという。

「『店頭に立つ販売員がデルのパソコンを売り慣れていない』と量販店に言われた。まずは販売員にデルの製品の魅力を知ってもらうことが大事。自分が魅力を感じないものを、お客さんに熱意を持ってお薦めすることはできない」。今後も量販店での販売拡大で、シェアを伸ばしたいと意気込む。

(IT・家電ジャーナリスト 湯浅英夫)

[日経トレンディネット 2016年3月30日付の記事を再構成]

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