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銀座大変貌の第一弾 「東急プラザ銀座」を徹底解剖

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日経トレンディネット

東急不動産が銀座5丁目の数寄屋橋交差点前に開発した大型商業施設「東急プラザ銀座」が、2016年3月31日にオープンした。

同店は東急プラザの旗艦店の位置付けで、都内では2012年に開業した「東急プラザ表参道原宿」に次ぐ店舗。地下2階~地上11階の全13フロアに、ファッション、雑貨、食品とレストランなど125店舗が出店する。延床面積約5万平方メートル、店舗面積2万2000平方メートルは、銀座エリア内最大級の規模だ。

伝統と革新が共存する銀座らしく、日本の伝統工芸「江戸切子」をモチーフにした特徴的な外観が印象的だ。西銀座通りに面した約110メートルの路面には、海外の老舗ラグジュアリーブランドの大型旗艦店が並ぶ。大人のイメージのブランドをそろえることで、銀座ブランドの復活を目指すという。

6階の巨大吹き抜け空間に「キリコラウンジ」、屋上に「キリコテラス」といったパブリックスペースを設置。「ほかにはない都心のど真ん中で銀座ならではのハレ感を感じてもらい、ゆっくり過ごしてほしい。従来型の百貨店や商業施設には集える場所がなかった。キリコラウンジは、ライブやアート展など文化情報発信イベントも行い、カルチャーにも触れられる新しい試み」と、東急不動産 都市事業本部銀座プロジェクト推進部事業企画グループの瀬志本藍係長は話す。

原宿店では屋上に「おもはらの森」という緑豊かな空間を設け、都心のなかに憩いの場を作ったが、銀座店にも同様の考えを取り入れた。正面玄関から3階へと直結する長いエスカレーターなど、建築デザインでも共通する点が多い。

訪日外国人観光客(インバウンド)で賑わう銀座エリアでは、2017年開業予定の銀座6丁目プロジェクトなど大型再開発プロジェクトが進行中。同店はその皮切りであり、顧客ターゲットや出店テナントなどが注目されていた。

「ロッテ免税店」でインバウンドの取り込み狙う

銀座といえばやはり、急増する訪日外国人をどう取り込んでいくのかが注目される。銀座の地域一番店「三越銀座店」ではインバウンド比率が2~3割を占める。ただ、すでに銀座のメインストリートの中央通りや晴海通りには、欧米のラグジュアリーブランドが直営旗艦店を多数出店。飽和状態にある高級品市場で新たに集客するには、別の切り口が必要だ。

東急プラザ銀座では、地上1、2階に、欧米の老舗ラグジュアリーブランドの日本旗艦店や有力セレクトショップなど約10店舗をラインアップ。スイス発の「バリー」は世界最大の旗艦店を出店、クラシコイタリアのスーツ「キートン」やニットブランド「クルチアーニ」、イギリスの高級紳士靴「エドワードグリーン」といった、大人の街銀座にふさわしい伝統的なブランドをそろえた。英国王室御用達ブーツ「ハンター」とトラベルケースで有名な「グローブ・トロッター」は日本初の旗艦店を構えた。

さらに、上層階の8、9階には都内最大の免税店「ロッテ免税店銀座」を配置し、集客力を全館に波及させるシャワー効果を狙う。店舗面積は4440平方メートル。「グッチ」「エルメネジルド・ゼニア」などのラグジュアリーブランドやジュエリー・時計・化粧品など153ブランドを展開。空港の免税店と同様に、外国人旅行客だけでなく、海外に出国する日本人も購入できる。

6、7階の「ファインド・ジャパン・マーケット」も、インバウンドを中心ターゲットにテナントをそろえたフロア。メイドインジャパンの本物に出会える売り場として、東急ハンズが手がける新業態「ハンズ エキスポ」や東京・墨田区の工場が手がけるファクトリーブランドなどが出店している。「とりわけ雑貨はほかの施設にはないブランドの編集を意識している」(瀬志本係長)という。東京観光の土産品としても評判を呼びそうだ。「ハンズ エキスポ」は「和・都・知・美・食」の5つのゾーンに分かれ、インバウンド向けの日本土産や国内外向けのサブカルアイテムなどを展開。62席のカフェスペースには演奏可能なステージも併設されている。

東急百貨店の新たな試み「ヒンカ リンカ」とは

東急プラザ銀座のメーンターゲットは30代後半から40代の男女。本物を見極める目を持った大人を意識した施設開発を行っている。特にファッションゾーンは、「クリエイティブ・ジャパン」のコンセプトに沿って、銀座で働くOL客や近郊に住む主婦層を意識したブランドを導入。「銀座ならではの上質な本物にこだわった」(瀬志本係長)という。

なかでも注目は、グループ会社の東急百貨店が新たに開発したセレクトストア「ヒンカ リンカ」だ。店名は"日本らしい品格と凛"から取った。成熟した大人の女性をターゲットに、3~5階の3フロアで、これまでにない独自の編集と売り場づくりに取り組んでいるという。

特徴は、アパレルや雑貨だけでなく、食を含めて生活シーン全般をファッションと定義づけて構成している点だ。同店が手がけた渋谷ヒカリエ「シンクス」で蓄積したノウハウを活用。ブランドごとの壁を取り払っただけでなく、例えばアパレルの売り場に中古品店やスイーツ店を配置するなど、異なる商品カテゴリーを混在させるという新しい売り場づくりがなされている。

新しい売り場づくりにチャレンジした背景について、東急百貨店営業本部MD統括室MD戦略担当部長の高田泰弘氏はこう説明する。

「従来の百貨店のように商品カテゴリーで分けた売り場ではもはや顧客に感動を与えられない。ECが浸透し、銀座に数多くの店舗があるなか、われわれが銀座に出店する価値は、顧客に発見と感動を与えられるかどうかにある。そんな思いから、女性の気持ちを一番に考えたストアづくりをめざした」

筆者のおすすめ店舗は、5階の「カカオマーケット バイ マリベル」。ニューヨークで人気のチョコレート専門店「マリベル」の姉妹店で、ニューヨーク・ブルックリン、京都店に続き、世界3店舗目。チョコレートボールやフルーツディップの量り売りのほか、併設するカフェではジェラートやチョコレートドリンクも楽しめる。

3階の自主編集売り場には、ビンテージバッグとアクセサリーの専門店「タイムレストウキョウ」や、ボタン・アクセサリー専門店「アンド ストライプ」などもあり、宝物探しの感覚で買い物を楽しめそう。ファッション好きには、マルニやクロエをそろえる福岡の独立系セレクトショップ「マギークープ」や、日本初となるポーランドの高級ランジェリーブランド「コビエタ」がおすすめ。

レストランゾーンには小山薫堂が経営する「下鴨茶寮」も

10~11階のレストランゾーン「ギンマチ ダイニング」には、インバウンド需要や2020年の東京オリンピック開催を見越したと思われる世界各国のフード20店舗が勢ぞろいした。

最上階の11 階には話題の飲食店を次々と開発してきたトランジットジェネラルオフィスが、シドニー発のモダンギリシャレストラン「ザ・アポロ」を日本初出店。珍しいラム料理やギリシャスイーツなどを味わいながら、切子モチーフの大きなガラス窓から銀座の景色を一望できる。

日本初では、ハワイ島で行列ができる人気レストランが銀座の立地に合わせて「ガイ アンド ジョーズ ハワイアン スタイル カフェ」を10階に出店。ハワイらしいビッグスケールのパンケーキが評判を呼びそう。同じく日本初ではタイの老舗ビールメーカー「シンハー」が展開するビアレストラン「センディー テラス」にも注目したい。国内初のシンクラフトビールや、オリジナルフレーバービールを、タイの郷土料理と一緒に味わえる。

ブランド牛として注目される宮崎県の「尾崎牛」を使用した焼肉店「尾崎牛焼肉 銀座ひむか」も新業態店。窓側のカウンター席があり、カップルで夜景を見ながら焼肉を堪能できるのがいい。

さらに注目は、放送作家の小山薫堂氏が経営する京都の老舗料亭「下鴨茶寮」の新業態店。日本酒バルの新業態「のまえ」では、日本酒とアラカルト料理を提供。セレクトショップ「ビームス」のデザインによるユニフォームや、帆布で作った照明、禅宗の僧侶が使った「応量器」をアレンジした応量椀など、店内のデザインも洗練されている。奥の格子戸を開けると、その向こうには懐石料理「下鴨茶寮 東のはなれ」が広がる。個室でゆっくり食事したいときやカウンター割烹を楽しみたいときにはこちらがおすすめ。

欧州で話題のサンドイッチ、京都の人気アイスクリーム店も

地下鉄のコンコースと直結する地下2階にも、日本初上陸や東京初出店など行列必至のフード専門店や高級輸入ワインの販売店などが、イートインスペースを併設してオープンする。

なかでも注目は、海外の主要空港でシーフードバーを展開するキャビアハウス&プルニエの新業態「キャビアハウス&プルニエ サンドイッチハウス」。キャビアやフォアグラなどを使った欧州で話題のラグジュアリーサンドイッチが日本初上陸する。また、京都で人気のアイスクリーム専門店「ハンデルスベーゲン」も東京初出店。アイスクリームは毎日店内で作っているので、出来たてをその場で味わえるという。

ほかには、店内で高級輸入ワインをテイスティングできるバル「徳岡」や、アパレルのジュンが展開するコンセプトショップ「サロン アダム エ ロペ」に併設した和ビストロ、フグだしを利かせたラーメンがおいしい「ふぐだし潮 八代目けいすけ」といった、ここだけの店舗も見逃せない。

銀座・有楽町界隈では、Jフロントリテイリング、森ビルなど4社が中央通り沿いの松坂屋銀座店跡地周辺を再開発する「銀座六丁目プロジェクト」が進んでいるほか、有楽町1丁目の地下鉄日比谷駅近くでは、三井不動産が手がける「新日比谷プロジェクト」も2015年に着工。東急プラザ銀座に続き、2017年に銀座六丁目プロジェクト、2018年に新日比谷プロジェクトが開業すれば、エリアの魅力度が一気に高まる。

いずれの施設もみゆき通りでつながっており、「人の流れは確実に変わる。数寄屋橋交差点が渋谷のスクランブル交差点のようになることを目指している」と瀬志本係長は期待を寄せる。東急プラザ銀座は両施設の中間に位置。「銀座にこれまでありそうでなかった施設にすることで、エリアの回遊性を高める存在になりたい」(瀬志本係長)という。

ただし、現時点では銀座の中心地に比べ、人通りは圧倒的に少ない。同店だけでどこまで人の流れを変えられるか。計画では初年度来館者数約1000万人、売上高330億円を目指す。

(ライター 橋長初代)

[日経トレンディネット 2016年3月31日付の記事を再構成]

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