1日1行書くだけでお金がたまる「1行家計簿」

日経ウーマン

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忙しい人でも続けられて、ムダ遣いを減らせるという「1行家計簿」。ターゲットを絞り込むことで、最低限の労力で節約を実現できるのがメリットだ。具体的な始め方を、提唱者の天野伴さんに尋ねた。

「ついつい」買いを減らして、お金を使いたいところに回す

節約には家計簿が効果的と分かっていても、「面倒そう」「やってみたけれど続かない」という人は多い。そんな人に税理士の天野伴さんが勧めるのが、「1行家計簿」。従来の家計簿のようにすべての支出を記録するのではなく、「お菓子代」「飲み会代」など、記録する項目を1つに絞る点が特徴。1日たった1行だけ書く方式だから、かかる時間はわずか10秒程度。続けやすいのが利点だ。

でも記録するのが1項目だけで、効果があるのだろうか? 「大丈夫です」と天野さん。20年以上も家計簿をつけてきた経験から、1つの項目=「節約ターゲット」を決めて、とことん記録することは十分な節約効果があると言う。「何にお金をつかったか覚えていないのに、給料日前には金欠……という経験は誰でもあるはずです。1行家計簿は、項目を1つに絞ることで、使途不明金がいつどこで発生しやすいかが見えてくる。シンプルで分かりやすい家計簿なのです」。つまり、継続しやすさと、分析しやすさ、その両方を兼ね備えているのだ。記録も手持ちのノートや手帳にすればよい。

どの項目にすべきか分からない人は、下に掲げた項目から、自分の生活に当てはまるものを選んでみよう。「コンビニ」「近所のドラッグストア」「最寄りの100円ショップ」など浪費しがちな場所を限定するのも、改善に結びつけやすいのでお勧めだ。

1行家計簿で天野さんが提唱するのは、「1日3食の食費や、光熱費など生活に必須なものを削ること」ではない。つい買ってしまうお菓子や日用品など、持たなくて済んだものを減らすのが目的

まずは1カ月間記録して、月の出費総額や出費回数、1回当たりの出費額を出してみよう。結果を踏まえて「節約すべき」と判断したら、「出費回数」か「1回当たりの出費額」を減らそう。「洋服など節約ターゲットによっては、月数万円も浮くことがあります」

「節約を達成できたら、1行家計簿はやめてもいいし、項目を変えて続けてもOK」。節約して浮いたお金は、旅行や学びなど自分が本当にしたかったことに使える。「家計簿をつけるモチベーションも上がるはずです」

「1回当たりの額が大きいなら、安価なものに代替できないか」「回数が多いなら、店舗を訪ねる回数や、オンラインショッピングサイトの閲覧頻度を減らす」など対策を

これが1行家計簿

下が1行家計簿の例。項目(節約ターゲット)を決めたら、キリのよい月初か給料日から記録を開始。給料日だと「今月はあといくら使えるか」が分かりやすい。最初は節約を意識せず、淡々と出費を記録して。1日分の記録なら10秒程度で済むので、毎日つけるようにしよう。なお、カード払いの場合は引き落とし日ではなく「使った日」に記録する。

1週間記録して出費額と出費回数を把握する。節約すべきと判断したら、引き続き記録をつけよう。1カ月分を終えたら合計額を算出し、12倍して年間の支出を予測。「1回の額は小さくても、1年分だと意外に大きい」ことが分かったら、1回当たりの出費額か、出費回数を見直すのが無駄遣い防止になる。

しっかりお金をためたい人は、目標を書いてみよう

1カ月間続けてみて「節約できそう」と感じたら、1行家計簿を継続しよう。その際、上のように具体的な目標を立てるとよい。「どの出費をいくら減らすか」に加え、節約によって浮く額と、その使い道を書くことでモチベーションが高まるはず。ムダ遣いの習慣をなくすには、「買い物を減らす」ではなく「コンビニに行く回数を減らす」など具体的に行動目標を書くこともポイントだ。

この人に聞きました

天野伴さん
税理士。大学時代に簿記1級取得、卒業後に税理士資格を取得し、税理士法人勤務を経て独立。8歳で始めたおこづかい帳以来、家計簿をつけ続けた経験を基に独自メソッドを考案。『1行家計簿』(ダイヤモンド社)を上梓した。

(ライター 工藤花衣)

[日経ウーマン 2016年4月号の記事を再構成]

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