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若さの大敵「脂肪筋」 やせ型・小食タイプもご用心

日経ヘルス

2016/5/8

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日経ヘルス

アンチエイジングにおいて、ぜひ知っておきたい新たなキーワードが「脂肪筋」だ。順天堂大学大学院医学研究科の田村好史准教授らの研究で、この脂肪筋が老化の原因のひとつになりうることがわかってきた。

(イラスト:金子なぎさ)

「脂肪筋とは、脂肪細胞ではなく、骨格筋の筋細胞の中に中性脂肪が過剰にたまった状態の筋肉のこと。高脂肪食や運動不足などが原因で増えることがわかっている。脂肪筋になると、膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンの効きが悪くなる『インスリン抵抗性』になりやすい。インスリン抵抗性になると、糖尿病だけでなく、メタボリックシンドロームやがん、認知症などのリスクも高まる」(田村准教授)

脂肪筋が要注意なのは「やせている人でもなりやすい」ということ。「とくに最近の女性は、“少なく食べて動かない”という低回転型のライフスタイルの人が目立つ。しかし、食べる量は少なくても、脂っぽいものを意外ととっている人は多い。脂質のとり過ぎは脂肪筋の一因になる。そのうえあまり体を動かさない生活をしていると、気づかないうちに脂肪筋になっていく」(田村准教授)

■細切れ運動に効果あり

脂肪筋をつくらない代謝のいい体になるためには、「“よく食べてよく動く”高回転型のサイクルが大切。あまり体を動かさない日は、その分食べる量を減らす。たくさん食べたらこまめにたくさん体を動かす。こうしたサイクルを毎日休まず続けていくことが、長い目で見てアンチエイジングにつながると考えている」(田村准教授)

田村准教授が薦めるのはウオーキング。「1日合計1時間程度の有酸素運動で約10%の脂肪筋が使われる。基本的に、1日トータルで8000歩以上を目指したい。さまざまな効果が期待できる」(田村准教授)

ポイントは、自分が無理なくできる量の運動を、毎日の生活の中で続けること。

「有酸素運動は30分以上続けて行わないと脂肪が燃えないから、細切れの運動では意味がないと昔からいわれていた。しかし、脂肪筋の解消や健康づくりという視点では細切れは必ずしも悪くないどころか、むしろ意識していない生活活動も重要ということも明らかになった。10分歩けば1000歩、8000歩なら80分もかかる、大変だ、と思うかもしれないが、ちょこちょこと動く意識を高めれば、普段の生活でも8000歩程度にはなる。週1回、いわゆるスポーツをすると同時に、毎日の生活の中で歩数を増やしたい」(田村准教授)

田村准教授らが糖尿病患者を対象に2週間行った調査では、カロリー制限した食事療法だけでは脂肪筋に目立った変化はなかったが、運動療法を加えると脂肪筋は19%減少した。インスリンの効きも57%高まった。(データ:Tamura, Y. et al. J Clin Endocrinol Metab, 90: 3191-3196, 2005)

よく動くことで筋肉の「質」は高まるが、筋肉の「量」に対しては別のアプローチが必要だ。「加齢により筋肉が細くなると、基礎代謝が低下して、脂肪が体につきやすくなる。筋肉トレーニングで筋肉の量を増やすことが不可欠」(田村准教授)。有酸素運動と筋トレの2本立てで筋肉の老化を防ごう。

「筋肉はいわばぬか床と同じようなもの。毎日手入れしないと、あっという間に悪くなる。毎日よく使えば代謝も高まり、若さを維持できる」(田村准教授)

■この人に聞きました

田村好史准教授
順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学。同大国際教養学部グローバルヘルスサービス領域先任准教授を兼任。糖尿病を中心とした運動療法に専門的に取り組む。現在、女性の健康に関する研究を進めている(Webサイトで参加者を募集中。詳細は https://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/sportology を参照)

(ライター やまきひろみ)

[日経ヘルス2016年5月号の記事を再構成]

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