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10年で世界の魚の数を回復できる、研究報告

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ナショナルジオグラフィック日本版

長らく減り続けている世界の魚の生息数が、わずか10年で回復でき、同時に漁業者の収入も増えるとする論文が、学術誌『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に発表された。

方策は、漁獲の権利を割り当てる制度をより多くの国々で導入すること。すでに米国や中米ベリーズなどいくつかの国で効果を上げているやり方だ。「私は長い間、漁業問題に携わってきましたが、これほど画期的な結果が出るとは思ってもみませんでした」と、論文の共著者で環境保護団体「エンバイロンメンタル・ディフェンス・ファンド」に所属する漁業科学者のアマンダ・リーランド氏は語る。

リーランド氏のチームは、世界の漁業活動の78%にあたる4713カ所の漁場を網羅した巨大データベースを用いてシミュレーションを行った。結果、もしすべての国が最適な管理の下に漁業活動を行うようになれば、世界の魚の生息数は、2050年までに倍増する可能性がある。また、生物学的に健全な漁場の割合は、現在の約47%から10年後に77%に上昇するという。

海の魚が増えれば、海産物を主なタンパク源としている世界の30億の人々にとって、食糧安全保障の強化につながる。同時に、年間の漁獲高は530億ドル増加し、2050年までに204%の成長が見込まれる。

カナダ、ブリティッシュコロンビア大学の著名な漁業科学者、ダニエル・ポーリー氏はこの論文について「入念に仕上げられた、すばらしい研究」と評している。過去の研究は、その大半がわずか数百カ所の漁場を対象としたものであり、今回の論文の規模の大きさには重要な意味があると彼は言う。

海を守れば漁獲可能量が増える

ポーリー氏によると、水産資源を回復させる鍵は、徹底した漁獲割当制度を導入するかどうかだという。

従来の管理制度においては、漁業者は特定の場所あるいは特定の時期に、好きなだけ魚を獲る。しかしそれでは漁業者同士が互いに争い、果てしない競争の末に、魚が繁殖によって増えるよりも速く、多くの魚を獲ってしまう結果となる。

漁獲割当制度を導入すれば乱獲を防ぐことができるが、大切なのは導入の仕方だとリーランド氏は言う。単に漁獲の上限を割り当てるだけだと、管理者との関係が敵対的なものになったり、規則をすり抜けようとする者も出てきかねない。そもそも生態系を健全にするという目的が、漁業者にとってインセンティブにならない。

一方、キャッチ・シェア制度は、専門家がその時々の状況に応じて総漁獲を設定し、そのうち一定の漁獲量を各漁業者に配分する仕組み。魚の数が増えれば、すみやかに漁獲量も引き上げられる。こうしたやり方であれば、すべての漁業者にとって、制度に従うメリット、自分たちが漁をする海の環境を守ろうという動機が生まれるだろう。

過去数年の間に、オーストラリア、ベリーズ、チリ、デンマーク、ナミビア、米国など、200カ所以上の漁場でこうした取り組みが行われてきた。その成果は上々だとリーランド氏は言う。

2000年以降、米国では乱獲された種の数は70%減少した。生息数が回復した種の数はゼロから39種となり、また漁業における雇用は、過去3年間で31%、収入は44%増加した。

漁業者にインセンティブを

小規模で伝統的な漁が行われているベリーズでは、漁業者たちが互いに競い合うのをやめ、保護水域を増やして、魚が繁殖できる場所を確保するやり方が支持されるようになった。彼らは違法な漁を当局に報告し、無駄な混獲(※漁獲対象外の魚を獲ること)を減らす努力をしている。

つまりベリーズの漁業者たちは、自分たちのリソースを守る優秀な管理者となりつつあるのだ。漁業者が子孫に自らのシェアを引き継げるという事実もまた、将来的にも海の魚の数を増やしていくための動機付けとなるとリーランド氏は言う。

ポーリー氏はしかし、キャッチ・シェア制度にばかり注目すべきではないと指摘する。「魚にとっては誰が漁をしようが関係ありません。大切なのは割当が徹底されることです。漁獲量に制限をかけるためにどのような手段を用いるかは、それぞれの国と、そこで政治的にどんな制度を受け入れることが可能かによるでしょう」

(文 Brian Clark Howard、訳 北村京子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2016年4月1日付]

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