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育休中のお金と、時短勤務の残業代はどうなる? 働き女子のお金レスキュー隊!

日経ウーマン

2016/4/7

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日経ウーマン

国会議員の育児休業(育休)や、保育園に入れずに職場復帰できないという母親のブログが注目を集めました。育休制度そのものについては、既に皆さんもご存じでしょう。今回は特に、育休中のお金と、職場復帰後の働き方の疑問について、いくつか解説したいと思います。

給料の基本は、「ノーワーク・ノーペイ」です。このため、産前産後休業(産休)や育休で働けない期間、会社に給料を支払う義務はありません。子育て支援に積極的な企業の中には給料を支払うケースもありますが、一部の大企業にとどまるでしょう。現状、男性の育休取得率は民間企業でわずか2.3%ですが、その背景にはこうした金銭的な事情もあるといわれています。

しかし実際は、母親だけが育休を取得するより、夫婦2人で取得したほうが、もらえるお金が増える可能性もあるのです。

■育休を夫婦で取得すれば30万円お得なケースも

(イラスト:いいあい)

まずは、産休・育休中にもらえるお金をおさらいしましょう。

(1)出産育児一時金

出産費用として、健康保険から原則42万円(双子の場合は84万円)が支払われます。

(2)出産手当金

産休中に給料が出ない場合、健康保険から支払われます。1日当たりの支給金額は、直近1年間の月収(標準報酬月額)の平均÷30×3分の2。直近1年間の平均月収が30万円の場合、1日当たりの支給額は6670円。産前42日、産後56日間休んだ場合は、総額65万3660円を受け取れます。

(3)育児休業給付金

育休中に雇用保険から支給されます。2014年4月以降の育休取得から、支給額が増えました。以前は給料の50%相当額でしたが、育休開始から6カ月間(180日まで)は給料の67%相当額が支払われることになったのです(6カ月経過後は50%)。

目的の一つは、男性にも積極的に育休を取得してもらうこと。

仮に、夫婦の月収がどちらも30万円だとしましょう。母親のみが育休を1年間取得した場合、最初の6カ月間は月に約20万円を受け取れますが、6カ月経過後は月15万円に下がってしまいます。支給総額は、210万6000円です。

しかし、6カ月後に母親が復帰し、交代で父親が育休を取った場合、父親にも6カ月間は給料の67%が支払われます。母親と父親が交代で6カ月ずつ取得すると、1年間の支給総額は241万2000円。母親だけが取得するより、給付金の額は約30万円も多くなります。これらの制度、まずは男性にも知ってもらうことが大切ですね。

■時短で「持ち帰り仕事」をした場合の残業代は?

育休から復帰した後は、短時間勤務制度を利用する人もいると思います。短時間勤務なのに、残業をした。その場合、給料はどうなるのでしょうか。

例えば9~18時の8時間勤務(1時間昼休み)の会社で、17時までの7時間勤務を選んでいるとします。18時まで働いた場合、この1時間分に関しては、もちろん通常の給料がもらえます。さらに18時以降も働き、1日の労働時間が8時間を超えると、25%の割増賃金が付きます。早朝出勤をした場合も、1日8時間を超えたら割増賃金が発生します。

では、家に持ち帰って仕事をした場合はどうでしょう。いわゆる「持ち帰り残業」です。

持ち帰り残業でも、会社の指示などがあれば労働時間に含まれ、その分の給与はもらえます。しかし、自ら持ち帰った場合は、原則として労働時間に含まれません。これが、難しい点です。

決められた就業時間だけで到底終わらせることができない仕事を押しつけられた場合は、例外的に労働時間に含まれることも。いずれにしても、会社側に必要な時間分を支払ってもらえるのか確認した上で行うことが、トラブル防止になります。

今月の回答者

社会保険労務士・FP
北村庄吾さん
1991年に国家資格者の総合事務所「BraiN」を設立。著書に『給与明細で騙されるな』(朝日新書)『やさしくわかる給与計算と社会保険事務のしごと』(日本実業出版社)など。給与計算実務能力検定1級・2級の検定試験を、11月に全国主要都市で実施。http://jitsumu-up.jp/

[日経ウーマン 2016年5月号の記事を再構成]

日経WOMAN2016年5月号

著者 :
出版 : 日経BP社
価格 : 590円 (税込み)

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