あの俳優が連覇 ハリウッド映画出演料ランキング
ハリウッド男優・女優ギャラランキング 2016年版
今のハリウッドで映画1本当たりの出演料が最も高い男優はロバート・ダウニーJr.。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で手にした5000万ドル(58.5億円)で、2015年と同じく1位となった。映画会社は「俳優の主演映画が世界的なヒットを見込めるか」を判断してギャラを決めている。『エイジ・オブ・ウルトロン』は全世界で14億ドルの興収を上げたため、高額ギャラも当然だろう。
次はハリソン・フォードが『スター・ウォーズ フォースの覚醒』で得た2500万ドル+歩合収入。32年ぶりにオリジナルキャストが集結することで話題の『フォースの覚醒』だが、キャリー・フィッシャーやマーク・ハミルに比べるとフォードは別格の人気スター。さらに同作では出演場面が多く、主役を食う活躍ぶりを見せており、高額ギャラも納得だろう。全世界で公開中のため歩合収入の金額は未確定だが、最終的にはダウニーJr.のギャラを超す可能性もある。
躍進するJ・ローレンス
女優のトップはサンドラ・ブロックが『Our Brand Is Crisis』で手にした2000万ドル。2015年は『ゼロ・グラビティ』で歩合収入と合わせて5000万ドルを手にしたが、今回は通常のギャラに戻った。次はアンジェリーナ・ジョリーら3人の1500万ドル。特に若手人気ナンバーワンのジェニファー・ローレンスの躍進が目立つ。『ハンガー・ゲーム』1作目(12年)では100万ドルだったが、シリーズ4作を経て人気が上昇し、新作『ジョイ』では1500万ドルを手にしている。
ローレンスのようにギャラが急上昇する俳優はいるが、ギャラ相場全体では高額化が止まっている。かつてはギャラ2000万ドル以上がトップスターの証とされ、10年ほど前には男女合わせて20人以上いたが、現在では7人。人気スターが主演してもかつてほどヒットが見込めなくなったため、高額化が止まっているようだ。トム・クルーズやトム・ハンクス、ジュリア・ロバーツら大物俳優がランキング外となっている。
当たり役でギャラアップ
ハリウッドスターが高額ギャラを手に入れるための条件は3つある。まず、「当たり役を手に入れる」。ダウニーJr.はアイアンマン、フォードはハン・ソロという当たり役があってこその高額ギャラで、ダニエル・クレイグも『007カジノ・ロワイヤル』(06年)から新ジェームズ・ボンドを演じている。この時のギャラが320万ドル。『慰めの報酬』(08年)で720万ドル、『スカイフォール』で(12年)1700万ドルと伸び、『スペクター』では2400万ドルを手にしている。ヴィン・ディーゼルも『ワイルド・スピード』シリーズでドミニクという当たり役を得ている。
2つ目が「男優はアクション映画に出る」。男優は主演作がアクション映画だとヒットが見込まれ、ギャラアップにつながりやすい。アクションスターのドウェイン・ジョンソンが象徴的で、演技派デンゼル・ワシントンは『イコライザー』など近年はアクション映画に出て高額ギャラを得ている。
3つ目が「女優はコメディ映画に出る」。男優と異なり女優は主演作がコメディ映画だとヒットしやすい傾向にある。今最も勢いのあるコメディエンヌがメリッサ・マッカーシーだ。結婚する親友の花嫁介添人の1人を演じたコメディ『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(11年)が大ヒット。サンドラ・ブロックと共演した刑事アクションコメディ『デンジャラス・バディ』(13年)でギャラが250万ドルにアップし、主演のスパイアクションコメディ『Spy』で1500万ドルを手にした。
(ライター 相良智弘)
[日経エンタテインメント! 2016年4月号の記事を再構成]
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