ノートパソコン+液晶で簡単2画面ライフの勧め
パソコンで1つしかソフトを起動しない人は少ないだろう。一方で画面の広さは限られており、すべてを一度には表示できない。ウインドウを切り替えたり動かしたりしてやりくりしている。こうした煩雑な操作をせずに済む広い画面を実現するのが「デュアルディスプレー」だ。
非常にメリットが大きいデュアルディスプレーだが、「2台も液晶を買うのは無理」と思う人もいるだろう。だが、安心してほしい。ノートパソコンに2万円程度の安価な液晶ディスプレーを追加するだけで、デュアルディスプレーは実現できる。
端子の種類と規格に注意
液晶ディスプレーを追加するには、パソコンが映像出力機能を備えている必要がある。規格の違いなどにより、端子には多くの種類があるので、購入前に確認しよう。同じ規格の同じ端子同士でつなぐのが基本だが、標準端子とミニ端子の違いは、対応ケーブルを用意すれば問題ない。パソコンとディスプレーのいずれかが古いなどの理由で同じ規格同士でつなげない場合は、変換アダプターを使う手もある。例えばHDMIとDVIは、変換アダプターで相互に変換できる[注]。
ノートPC+液晶なら場所もコストも最小限
ノートパソコンの液晶ディスプレーは、モバイル向けなら10~13型クラス、据え置き前提のモデルでも14~15型クラスが一般的。これに21型以上の液晶ディスプレーを追加すると、画面を広く使えるだけでなく、文字や細かなアイコンが大きく表示され、見やすくなるのもメリットだ。
追加の手順はとても簡単。ノートパソコンとディスプレーを映像信号ケーブルでつなげばよい。ここでは一般的なHDMIで接続した。液晶ディスプレー側に映像信号を検出する機能があれば、自動で表示が切り替わり、すぐに画面が映るはずだ。自動切り替えの機能がない場合は、つないだ端子の表示に手動で切り替える。
次にデュアルディスプレーの表示設定をする。ノートパソコンのキーボードには、表示設定のショートカットキーがあるものが多い。今回使用した富士通の「ライフブック AH77/S」では「Fn」+「F10」キーでディスプレー設定を呼び出せる。こうしたキーがなくても、「ウィンドウズ」+「P」キーでも同じ画面が開く。
表示設定は、ウィンドウズ10と8.1では画面右側に、ウィンドウズ7では画面中央にメニューが現れる。4つある選択肢のうち、デュアルディスプレーに使うのはデスクトップを拡張して使える「拡張」設定だ。
ディスプレーアームでもっと見やすく
追加する液晶ディスプレーが1台だけとはいえ、それなりのスペースは必要だ。スペース効率の高い置き方を追求するなら、ディスプレーアームを使ってみよう。
普通ならディスプレーはパソコンの横に置く。ディスプレーアームを使うとスタンドが不要になるので、パソコンが比較的小型なら、パソコンの上にも配置できる。横のスペースが不要になり、机の上を広く使えるメリットもある。しかも、正面を向いたまま作業できて楽だ。
ディスプレーアームは「VESAマウント」と呼ぶ規格に準拠している。液晶ディスプレーにこの規格に合ったねじ穴があれば、取り付けられる。取り付けたディスプレーは、アームを動かして位置を調整する。
今回使用した「GH-AMCD01」は、ガススプリング式と呼ぶ補助機構を内蔵している。これにより、重さが3~7kgある液晶ディスプレーでも、小さい力で動かせる。手前に引き出したり、上下に動かしたりするのも簡単だ。レバーで固定する製品より少し高価だが、使い勝手はこちらが良い。
ウェブサイトが読みやすい縦長もお薦め
ディスプレーアームの使い方でもう一つお薦めなのが、縦向き配置だ。ウェブサイトや長い文章など、縦に長いコンテンツがとても見やすくなる。通常の横向きにしたいときは、アームで回転させればよい。
ただし、ディスプレーを縦にしただけでは、画面が90度回転してしまい、正しく表示されない。ウィンドウズの設定で縦向きに変更しよう。「縦」は反時計回り、「縦(反対向き)」は時計回りに90度回転する。どちらでも構わないので、ケーブルの取り回しなどで、向きを決めればよい。
(スプール 宮川泰明)
[日経PC21 2016年4月号の記事から再構成]
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