予想以上に正確だったiPhoneの歩数計機能
iPhoneは、内蔵された加速度センサーやジャイロスコープ、GPSなどで端末の状況を測定し、OSやアプリでその情報を利用している。その一環として、持ち主の歩数もカウントしている。標準アプリの「ヘルスケア」では、iPhoneが測定している歩数を確認できる。この機能はどれだけ正確なのだろうか。
iPhoneを歩数計として使う方法
歩数データを表示するには、「ヘルスケア」アプリを起動して「ヘルスケアデータ」→「リスト」→「フィットネス」→「歩数」とタップしよう。この画面で「ダッシュボードに表示」をオンにしておくと、アプリを起動してすぐに出てくる「ダッシュボード」に歩数が表示できる。
「ヘルスケア」アプリでは、「日」「週」「月」「年」ごとの歩数表示ができるのだが、「今から歩く歩数を測定する」という使い方が想定されていない。一番短い単位の「日」表示でも、日が変わってから現在までの合計歩数が表示されてしまう。
そこで、歩く前後で歩数をメモしておき、その差を「そのとき歩いた歩数」として採用すればいいと考えた。おおむねこれで問題なかったが、途中からより正確に数値を得る方法に変更した。それについては後述する。
測定する歩数はどこまで正しいか
筆者の自宅近所の公園にあるトリムコースで歩数を計測した。
トリムコースは、1周するとちょうど1000mになる。5周してそれぞれの測定データと、平均をまとめたのが以下の表だ。実測値は、実際に数えた歩数。実測値とiPhone上の歩数を比較すると差があるような気がしたが、平均すると約1200歩で、差はたったの3歩。誤差は0.18%だった。
iPhoneは足が地面に着地するときの振動を加速度センサーが感知し、歩数をカウントしている。また、3次元空間の移動を捉える「3軸加速度センサー」に加え、本体の回転も3次元空間でとらえる「3軸ジャイロ」が搭載されているため、バッグやポケットに入れるなど、異なる状態でも正確に歩数をカウントできる。ちなみに、今回はリュックの中に入れて測定した。
「そのときの歩数」を求める方法があった
なお、当初、歩く前後の歩数をメモしておき、その差を計算することで「ある時間に歩いた歩数」を求めていたが、もっと簡易な方法で求められることに気づいた。
iPhoneは、一定のタイミングで歩数データを記録している。後からこれを参照すれば「ある時間に歩いた歩数」を求められる。前述の表はその方法で求めた値を使用している。方法は以下の通り。
1.「ヘルスケア」アプリの歩数画面で「データを共有」をタップする
2.「データソース」のリストで、測定した歩数を知りたいデバイスをタップする(ここではiPhone)
画面上にスマートウォッチの「Apple Watch」と、アクティビティ・トラッカー(活動量計)の「Jawbone UP2」が表示されているが、これは筆者が、歩数をカウントするデバイスとして設定しているためだ。iPhoneだけを使用しているならば、これらは表示されない
3.歩数を知りたい日付をタップする
4.歩いた時間帯に入っている数値を合計すれば「そのとき歩いた歩数」が求められる
この際、歩き始める前と後で、静止している時間が1分ぐらいあれば、カウントしたい歩数とカウントしたくない歩数を分けることができる。
iPhoneで「ある時間に歩いた歩数」を求めるには、このように変則的な方法を取る必要があった。しかし実際には、1日単位で歩数が分かればいいことがほとんどなので、実用上は問題ないだろう。
iPhoneが測定する歩数は、かなり信頼できると実証できたので、これからも安心して使っていきたい。
(ライター 伊藤朝輝)
[日経トレンディネット 2016年3月12日付の記事を再構成]
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