「リアルジオラマ」 京都鉄道博物館、様々な線路一望29日開業、記者が体験

報道陣に公開された、特急や新幹線などの車両が並ぶ京都鉄道博物館(1日午後、京都市下京区)=写真 山本博文
報道陣に公開された、特急や新幹線などの車両が並ぶ京都鉄道博物館(1日午後、京都市下京区)=写真 山本博文
西日本旅客鉄道(JR西日本)は1日、今月29日に開業する京都鉄道博物館(京都市)を報道陣に公開した。関西の鉄道担当記者が開業前の施設に行ってみた。

正午、あいにくの雨の中、JR京都駅を出て西に歩いて15分ほど。梅小路公園を通り抜けると目新しい建物が見えてきた。敷地面積は約3万平方メートル。歴史のある旧二条駅舎を左に見ながら、建物のエントランスホールを抜けると3両の車両がお出迎え。左から「シロクニ」の愛称で親しまれた蒸気機関車「C62形」、真ん中は東海道本線を走った「80系電車」、一番奥は“夢の超特急”「0系新幹線」だ。

蒸気機関車や新幹線などの車両が並ぶ京都鉄道博物館(1日午後、京都市下京区)=写真 山本博

0系新幹線のグリーン車や食堂車など様々な車両が並ぶプロムナードの名物はブルートレインの食堂車「ナシ20形24号車」だ。開業後、車両内で10種類の弁当やアルコールを楽しめる。ウインナーなど子供に人気のおかずを詰めたオリジナル弁当箱付きの「ウメテツランチBOX」(1500円)、梅ご飯などで仕上げた「SL弁当」(1100円)などおいしそうな弁当が並ぶ。「実はこんなものも用意したんですよ」と係員が昔懐かしのプラスチックに入ったお茶を見せてくれた。

本館に入りまず目玉展示のある2階へ。「運転シミュレータ」では在来線6台、新幹線2台の疑似運転体験ができるシミュレーターがある。実はこのシミュレーターは実際にJR西が運転士を養成するために使う機器と原理は同じ。無料貸与の運転士の制服と帽子を着ると気分は運転士。記念撮影もできる。開館後、混雑を緩和するため整理券を配る方式にするそうで、子供にいいところを見せたいお父さんは入館後、まず整理券ゲットに急ぎたいところだ。

「運転シミュレータ」では制服を着て運転手気分を味わえる=写真 林英樹

2階にあるもう一つの目玉が「鉄道ジオラマ」だ。横30メートル、奥行き10メートルの巨大ジオラマには橋、駅、トンネル、変電所などを忠実に再現。朝から深夜まで時間の流れで明るさを変えながら、新幹線や在来線、寝台特急、貨物列車など20両以上の鉄道模型が走り抜け、係員が車両の特徴などを解説してくれるストーリー仕立ての展示だ。よく見ると東日本旅客鉄道(JR東日本)などの北海道新幹線のほか、阪急や近鉄などライバル企業の車両も走り抜ける。ライバル企業の鉄道車両はジオラマの下の方を走っているような気がするのは気のせいかな?

2階の奥のレストランでは新幹線の線路などの点検をする黄色い「ドクターイエロー」を再現した「ドクターイエローオムライス」(1000円)など鉄道をテーマにしたメニューが並ぶ。同博物館の前身のSL専門博物館だった「梅小路蒸気機関車館」で名物だったSLを格納する扇形車庫にちなんだ「梅小路扇形車庫カレー」(1000円)は目玉焼きなどで扇形車庫を再現。完成度の高さから人気が出そうだ。

1階、2階の展示を見て回る。三浦英之館長が「体験型の展示を充実した」と語る通り、実際に肌で楽しめる展示が多い。昭和30~40年代の駅舎を見られたり、保線係員が線路点検で使う軌道自転車に実際に乗れたり。ジオラマの中の車両を実際に操作して運転する展示では車両先端にカメラが付いており、実際に運転士になった気分で子供が楽しめる。この展示では自動列車制御装置(ATC)が作動して減速する仕組みを再現しておりスピードが出すぎると減速するよう促す。鉄道の安全性を自然と学べるようにした。

スカイテラスは鉄道の眺めが最高!=写真 林英樹

3階に上り「うあっ!!」と声が出てしまう。「スカイテラス」では東海道新幹線、JR京都線、嵯峨野線など様々な線路が一望でき、ひっきりなしに鉄道が眼下を通過していく。「これリアルジオラマやな」。東寺や京都タワーをバックに鉄道が行き交う様子をしばし時を忘れて眺めていた。

同博物館は昨年運行を終えた豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」など貴重な車両を53両展示する。施設内にはキッズコーナーなど子供向けの施設もあるほか、改札機や駅の表示など昔の鉄道展示も充実。近隣には水族館などもあり鉄道ファンや家族連れなど幅広い層の来館を見込む。入館料金は一般1200円、小中学生500円で前売り券の販売中だ。初年度の来館者数は100万人超を目標としている。

現在、扇形車庫は整備中だが、開業時には扇形車庫はたくさんの蒸気機関車と共に再びお目見えする予定という。今から開業が楽しみだ。

(大阪経済部 林英樹)

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