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マイナス金利に負けない 今は海外資産を増やす時

日経マネー

2016/4/25

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なかくぼ・ふみお 京都大学卒業(経済学博士)。為替運用マネジャー、債券プロダクトストラテジストなどを経て、2014年6月にUBS証券入社

日本人は運用資産に占める円預金の比重が全般的に高い傾向にある。マイナス金利の導入で、預金から株や不動産などのリスク資産に、また円から外貨資産にと資金を移す重要性がより増している。

長期の資産運用では、できるだけ多くの資産に分散するとリスクを抑えられる。どの資産にどれだけ配分するかは、個々の投資家で異なる。我々は参考例として、5~7年先を見据えた戦略的資産配分を示している。さらにその配分を半年から1年先を見据えて調整する戦術的資産配分を毎月更新している。足元の戦術は欧州株とハイイールド債、米国社債とドルなどへの配分を高めることだ。

出所:「UBSハウスビュー」(2016年3月)。流動性は現預金など手元ですぐに使える資金。「合計」は各資産の全体の状況。上の場合、株式はユーロ圏の増加と新興国の減少、その他の国の中立から合計では中立となる

■欧州株やドルなどに配分を増やす時

我々の見通しでは、ユーロ圏は2016年の実質経済成長率が1.6%と先進国の中で最も高くなるとみている。欧州中央銀行(ECB)の金融緩和で銀行貸し出しは増えており、ユーロ安や原油安も企業収益に追い風になっている。また欧州のハイイールド債は米国のそれと比べてエネルギー・資源向けが少なくリスクが低い。その一方で、利回りは5%程度と妙味がある。

ドルの持ち高を上げるのは、世界経済に対する懸念が薄まれば今後ドル高が進む可能性があるためだ。リスクオフで円高が進んだが、市場が落ち着きを取り戻せば今後6カ月で1ドル=122円まで円安が進むとみている。

長期運用では目先の変動に一喜一憂する必要はない。一方で運用に長けている人は「多くの人が売り急いでいる時こそ好機」と買いを入れている。2016年1月に急速に円高が進んだ時は、外貨資産を購入する絶好の機会だったかもしれない。

ただし、パニック時での買いは先進国資産に限定すべきだ。資源国通貨のブラジルレアルやロシアルーブルはどこまで下落するか不透明だ。一方で同じ資源国通貨でも豪ドルは1豪ドル=0.5ドル、同0.3ドルと大きく下落するとは考えにくい。インフレが進む国の通貨は売られるのが基本。ブラジルなど高金利でも高インフレ国の通貨は当面控えた方がいい。

(日経マネー編集部 真弓重孝)

[日経マネー2016年5月号の記事を再構成]

日経マネー2016年6月号

著者 :日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)

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