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リーダーのマネジメント論

成果さえ出せば「午後2時でも家に帰ればいい」 カルビー会長 松本晃氏

2016/4/19

「カルビーの製造コストが高かった理由は工場の稼働率の低さ、そこが弱みでした。カルビーは全国に14の工場があります。多くの工場を作ってきた理由は理解できます。スナック菓子は空気を運ぶようなものなので、運賃が高くなります。商品の鮮度もありますので、消費地に近いところに工場を作ってきました。その結果工場が多くなっています。09年の就任時には工場の稼働率が約6割でしたが今は平均すると約9割になっています。現況の問題は稼働率に工場間でばらつきがあることです」

一段の成長へ向けた課題は何でしょう。

「コスト削減には限界があります。成長の次の段階として、新しい付加価値をつくっていかなければいけません。スナック菓子とシリアル『フルグラ』だけでは限界があります。第3の柱をつくりたいと考えています」

「食品業界は本来もうかる産業です。食べずに生きている人はいません。しかし国内の食品メーカーは利益率が低い。それは日本村の中だけの話です。いままでの日本の食品メーカーは売上高が増えていても利益は増えない。それは成長ではなく膨張です。国内だけでは人口が増えない。ならば世界に出て行けばいい。足元のカルビーの海外売上高比率は約12%ですが、遠くない将来には国内と海外で半々にします」

経営者として日々心がけていることはありますか。

「私は毎週日曜日に3時間散歩をします。半分は純粋な散歩、もう半分がスーパーやコンビニエンスストアの定点観測です。スーパー4軒、コンビニ6軒を回ります。私の考えの基本は現場主義です。現場を見なければ何もわかりません。じっくりと観察します。店頭にカルビーの商品が置いてあるかを見るのではなく、どういう売り場ができているのか、お客さんは何を手に取るのか。コンビニは特に1週間単位で売り場が変わります。今週は何が置いてあるのか、それはなぜなのかをじっくりと考えるようにしています」

社員にはどのような働き方を期待していますか。

「私は午後4時には仕事を切り上げます。遅くまで残ることはありません。社員にも意味のない長時間労働はやめるように言っています。社員も仕事が終わったのならばたとえば午後2時でも帰ればいい。遅くまで残業して仲間内で飲みに行き、安い酒を飲んで上司の愚痴を言う。そんな人間が翌日いい仕事ができますか。魅力的な人間でしょうか。魅力のない人間は仕事ができない。早く帰って、英会話やビジネススクールで学んだり、ミュージカルやコンサートに行ったり、ジムで体を鍛えたり、子供と過ごす時間を作りなさいといっています」

松本晃氏(まつもと・あきら)
1972年京都大学大学院農学研究科修士課程修了、伊藤忠商事入社。93年ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル(現ジョンソン・エンド・ジョンソン)入社、社長、最高顧問を歴任。2009年6月から現職。京都府出身。

(今井拓也 代慶達也)

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