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iPhoneとApple Watchのスタンド、並べてすっきり

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アップルのiPhoneとApple Watchを使っていて、「もっとスマートに充電したい……」と感じる人は少なくないだろう。それぞれのデバイスにケーブルを接続して充電する際、デスクの上にベタッと置くと意外に場所を取るうえ、見た目もいまひとつスッキリしない。

そこでお薦めなのが、iPhoneやApple Watch用のスタンドだ。iPhoneとApple Watchをきれいに立てかけられる構造のスタンドが各社から登場しており、最小限の設置スペースで両方のデバイスをスッキリと充電できる。インターネット通販では1000円台で購入できる格安品もあるが、今回は新生活のプレゼントにも向く上質なデザインの製品に絞って製品の使い勝手を試してみたい。

アクリル製のシンプルなスタンド

まず取り上げたいのが、サンワサプライの「デスクトップ充電スタンド PDA-STN12」だ。2枚のアクリル板を直角に交差させたシンプルな形状で、iPhoneとApple Watchをそれぞれ角度を付けた状態で固定して充電できる。iPhoneの底面が接するスタンド上部にはラバーが張られており、重量のあるiPhone 6s Plusを設置した際もズルッと手前に滑ることなく安定して保持してくれる。

この製品のポイントは、充電時の見た目がとてもスマートになることだ。スタンド自体が比較的コンパクトで存在感が控えめなので、iPhoneやApple Watchが引き立つ。さらに、それぞれの充電ケーブルは背面に回せる構造となっており、ゴチャゴチャとしたケーブルを視界から極力排除できるのが魅力だ。設置に必要な面積は、iPhone 6/6sの大きさとほぼ同等の13×7cmほどで、奥行きがあまり確保できない場所にも設置できるのがよい。

気になったのが、底面にもラバーが張られているものの、位置が微妙で滑り止めの効果が低く、iPhoneを立てかけたまま操作するとスタンドがズルズルと動くこと。購入後、自分でラバーを張り直すと改善されるだろう。また、右下にあるサンワサプライのロゴの存在がややうるさく気になるかもしれない。

実売価格は3400円前後といまひとつ安くはないが、省スペース性に優れる点は魅力だ。「スタンドはあくまで黒子でよく、過剰な装飾や存在感はいらない」と考える人に向く製品といえるだろう。

パンチングメタルの質感が上々

スタンド自体にモノとしての魅力を求めたい人にお薦めなのが、長尾製作所の「iPhone&AppleWatchスタンド NB-AW001WP」だ。

最大の特徴が、アルミニウムと鉄を用いた重厚な印象のボディーだ。金属の質感を最大限に生かしたデザインは、男性の心をくすぐるはず。特に、iPhoneの設置部はパンチングメタル風に楕円形の穴がいくつも開けられており、高級感を高めている。スタンドの重量は約399gもあるうえ、底面には滑り止めのラバーが張られている。そのため、充電しながらiPhoneを操作したときにスタンドが滑らないのも好印象だ。ケーブルは、スタンドに開けられた穴から背面に回せるので、見た目もすっきりする。

欠点といえるのが、Apple Watchの電磁誘導充電ケーブルを固定するのに手間がかかることだ。ネジを緩め、スタンドに開けられた丸い穴に充電部をピッタリと合わせる必要があり、慣れるまでは時間がかかる。出張などで充電ケーブルを頻繁に持ち出す人は煩わしく感じるかもしれない。また、スタンドの底面積が16×11.5cmとかなり大きいので、設置にある程度のスペースを要するのも留意点といえる。

実売価格は6000円前後で、カラーはシルバーとブラックの2色を用意する。アルミニウムボディーを採用するMacBookシリーズやiPad、iPhoneとのデザインの親和性が高いので、設置時の一体感を重視したい人に向く製品といえる。

すでに、お気に入りのiPhone用スタンドを使っているという人には、Apple Watch用のスタンド「AppleWatchスタンド ナイトスタンドモード NB-AW003NMS」もよい。素材やデザインは先ほどのNB-AW001WPと共通だが、設置スペースが最小限で済むうえ、充電時に時計を表示するナイトスタンドモードが利用できるのが特徴だ。Apple Watchに限らず、お気に入りの腕時計をきれいに見せるためのスタンドとしても使える。実売価格は3500円前後。

純正品は「差し込むだけ」が快適

アップル純正品では、残念ながらiPhoneとApple Watchを一緒に設置できるスタンドは存在しない。純正品にこだわりたい人は、iPhone用のスタンドとApple Watch用のスタンドを組み合わせて使うのもよい。

2015年10月、iPhone 6s/6s Plusと同時に登場した「iPhone Lightning Dock」は、平たい板にLightningコネクターのみが突き出たシンプルな構造を採用するiPhone用スタンド。何より便利なのが、iPhoneをLightningコネクターにグサッと差し込むだけで充電と固定ができること。Lightningケーブルを抜き差しする手間が不要になるのがこれほど快適だとは思わなかった。接続したiPhoneが少し浮かんでいるように見える工夫や、無駄な装飾を省いた質感の高いデザインはアップルらしい。何より、iPhone 6s/6s Plusと同じ4色のカラーバリエーションをまとった金属ボディーを採用しており、iPhoneとの一体感が高いのは純正品ならではといえよう。

シンプルな構造ながら、背面にはヘッドホン端子を搭載しており、いちいちiPhone本体のヘッドホン端子にコネクターを接続することなく有線のイヤホンやヘッドホンが使えるのは便利だ。Lightningコネクターが突き出た構造なので、iPhoneの機種を問わずに使える点や、ほとんどのケースやカバーは外す必要なく装着できる。

背もたれの役割を持つ部品がなく、LightningコネクターだけでiPhoneを支える構造なので、最初のうちは「コネクターの部分で折れてしまいそう……」とドキドキさせられる。だが、コネクターの部分は見た目に反してしっかりとした作りになっており、重量のあるケースを装着していても容易には破損しないだろう。

欠点は5800円という価格の高さだろう。ただ、iPhoneを買い替えても継続して使える点を考慮すれば、iPhoneファンならば納得できる金額といえる。何より、純正品ならではの一体感の高さは、サードパーティー製品にはないポイントとして評価できる。

悩ましい純正のApple Watch用スタンド

純正品では初となるApple Watch用スタンドが、2015年11月に登場した「Apple Watch磁気充電ドック」(Apple Watch Magnetic Charging Dock)だ。白い円形のボディーの中央には可動式の電磁誘導充電コネクターを搭載しており、Apple Watchのバンドを伸ばした状態だけでなく、Apple Watchを横置きにした状態でも充電できるのが特徴。充電部は標準で組み込まれており、Apple Watchに付属する充電ケーブルを用いる必要はない。

背面にはLightningコネクターを搭載しており、LightningケーブルでパソコンのUSB端子やモバイルバッテリーなどに接続すれば充電できる。Apple Watch Magnetic Charging Dockには、iPhone付属のものよりも長い約2mのLightningケーブルが付属しているのも朗報だ。Apple Watchの充電にこれほど長いケーブルが必要なければ、iPhone付属のLightningケーブルを用いることで、長いケーブルはiPhoneの充電などに流用できる。

質感の高さはさすがアップルと感心させられるが、気になったのが真円形のボディー形状だ。直径は10cm以上もあり、設置するのに意外と大きなスペースを必要とした。ふた回りほど小さくても実用性は変わらないと思われるので、ぜひ小さくしたバージョンを出してほしいと感じる。

9500円という価格も悩ましい。「Apple Watchをきれいに置きながら充電する」という機能を手に入れるにしては高いので、「ナイトスタンドモード時、円形のDockにタッチすればApple Watchに時刻が表示される」「アラーム機能を有効にした場合、円形のDockにタッチすればスヌーズになる」といった付加機能が備わっているとよかっただろう。

iPhoneを見やすい角度で固定した状態で充電できるスタンドがあれば、パソコンを使いながらiPhoneを操作したり音楽を楽しむのが格段にスマートになる。パソコンに加えてもう1つ情報表示用のパネルが増えることになり、作業の効率も高まるはず。標準では充電がいまひとつスマートではないApple Watchも合わせてスッキリ充電できるようになれば、満足度はさらに高まるだろう。スタンドは「なくても問題はないが、あれば便利になることは確実」なので、お気に入りの一品を探してみたい。

(日経トレンディネット 磯修)

[日経トレンディネット 2016年1月26日付の記事を再構成]

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