ダイヤルを回すだけ 簡単にフィットするビジネス靴

ビジネススタイルの核となるのはスーツだが、スーツと同様に気を配りたいのが靴とカバン。とりわけ靴は機動力に直結し、通勤や外回りの快適性を左右する重要アイテム。そこで前回のレザースニーカーに続き、この春注目の新世代ビジネスシューズを大紹介。トレンドに敏感で、オシャレに気を使う30代のビジネスパーソンにマッチする靴をピックアップした。今回取り上げるのはスポーツシューズやスニーカーなどで人気の「Boaクロージャーシステム」を搭載したビジネスシューズだ。

靴ひもではなくダイヤルを回すだけで足にフィット

ビジネスシーンで履く革靴は、品行方正な見た目はもちろんのこと、履き心地もかなり重要。革靴だからといってフィット感をおろそかにして選んでしまうと、通勤も外回りの営業も効率ダウンは免れない。

フィット感を高めるためには、ジャストサイズの革靴を選び、そして靴ひもをしっかり締めることが必要となる。そんなことは改めて言うまでもないのだが、意外とこれができていない人が多いのも事実だ。特に脱ぎ履きのたびに靴ひもを結び直すのはおっくうなため、ゆるめに結んだまま履き続けている人がほとんど。しかし、これがいけない。

靴ひもがゆるいと歩くたびに靴内でかかとが浮き、無意識のうちに力が入るため疲れやすくなる。それだけでなく、足と靴に一体感がないということは、サイズの合っていない靴を履いているのと同じで、次第に体全体のバランスが崩れて肩こりや腰痛を引き起こす可能性も。また、つま先や足の付け根が擦れて、魚の目やタコができることもあるというのだ。

「でも、靴ひもを締め直すのはやっぱり面倒で……」

そんなビジネスマンのために、簡単にフィット感を調整できる“Boaクロージャーシステム”を搭載したビジネス向け革靴が登場。いちいち靴ひもを結び直すのが面倒、でもフィット感を犠牲にしたくないというビジネスパーソンの間で話題となっている。

Boaクロージャーシステムとは、ダイヤルを回すことで甲部分のワイヤが締まり、簡単にフィッティング調整ができる機能。もともとスノーボードブーツのために、2001年にアメリカで開発されたもので、立ったままでもグローブをつけたままでも容易にフィット感を高めることができることから、現在は多くのスポーツシューズに採用されている。ゴルフシューズでなじみがあるという人もいるのではないだろうか。

今回は、このBoaクロージャーシステムを採用した革靴を発売している注目ブランドを紹介する。いずれもレザーシューズに端を発するブランドだけに、ハイテク機構以外のクオリティーも非常に高い。これらの細部を見ていくことで、今買うべきシューズの条件が見えてくるはずだ。

あの「リーガル」もBoaクロージャーシステムを採用

リーガル シュー&カンパニーのBoaクロージャーシステムを搭載したレザーシューズ(5万9400円)。シンプルなプレーントゥのためビジネスにもしっかり対応できる。アッパーにはキメの細かいキップレザーを使用し、伝統的なグッドイヤーウェルト製法でレザーソールを合わせた正統派シューズだ

1960年代のアイビールックブームを経て、日本に定着したリーガルのシューズ。グッドイヤーウェルト製法によるタフな作りの本格的レザーシューズは、革靴のスタンダードとも言うべき人気と知名度を誇る。

このリーガルから派生したリーガル シュー&カンパニーから、Boaクロージャーシステムを搭載したレザーシューズが登場した。

リーガル シュー&カンパニーは、“スニーカーカルチャーの中で育った世代にも、レザーシューズにこだわりを持つ世代にも、「REGAL」が持つ歴史と品質、そしてデザイン性に触れてもらいたい”とのコンセプトから生まれたブランドで、伝統とモダンという2つのキーワードを軸に、革新的なシューズを展開している。

リーガル シュー&カンパニーがBoaクロージャーシステム搭載のシューズを発売するのは今回で2度目。「2015年の春にウィングチップを発売し、店舗限定ながらアパレル・美容関係者に大好評を博しました。そしてユーザーのリクエストから、2016年春は新たにプレーントゥを展開します」(リーガル シュー&カンパニー PR担当)

リーガルらしい確かな作りと高いデザイン性を確保しながら、フィッティング&着脱のしやすさを表現。ビジネスシーンにもマッチするプレーントウで、品行方正なハイテク革靴に仕上がっている。

かかとについているダイヤルを右に回すと、甲のシューレース部分がじわじわと無段階に締まる。ダイヤルはかかとについているので、正面から見ると通常の革靴と何ら変わりない
ダイヤルが回る状態。シューレースがゆるまないように左回転しないロックがかかっている。
シューレースをゆるめる際はダイヤルを手前に引く。するとロックが解除される
ロックを解除するとシューレースがゆるむので、素早く靴を脱ぐことができる。ガバッと開くので履く際もラク。履いたらダイヤルを押し込み、ダイヤルを回して締めるだけでOK

Boaクロージャーシステムに特化した「スペクタス」

スペクタスの「WING TIP BLUCHER」(5万1840円)。ドレスシューズのデザインをベースに、Boaクロージャーシステムを搭載している

2012年よりスタートしたシューズブランド「スペクタス」は、Boaクロージャーシステム搭載のシューズに特化したラインアップが魅力。靴業界では広く知られる著名なシューズデザイナー、竹ケ原敏之介氏が手がけるブランドのひとつで、“革靴やスニーカーなどの既成概念にとらわれない、全く新しいイノベーションシューズ”というコンセプトのもと、ベーシックなデザインと最新技術であるBoaクロージャーシステムを融合したシューズなどを展開する。

Boaクロージャーシステム搭載のレザーシューズを数多くリリースしているが、なかでもウイングチップモデルは伝統的なドレスシューズのフォルムを踏襲し、オンオフ兼用できる高いデザイン性を備える。アッパーはカントリーシューズをモチーフとしたウイングチップの外羽根タイプで、型押しのステアレザーとメダリオンの装飾によって華やかな印象に仕上がっているのが特徴だ。

マッケイ製法による快適な履き心地に加え、Boaクロージャーシステムで脱ぎ履きも快適。ダイヤルを調節することで瞬時の着脱が可能なうえ、足の動きに合わせて圧力を分散させるワイヤレースにより、好みのフィット感を得ることができる。古典的なフォルムに革新的なファンクションを融合させた、新世代のウイングチップシューズといえるだろう。

ダイヤルはかかとについているので目立たない。ビジネスシーンにもしっかり対応する
デザートブーツのカジュアルさと、スペクタスのミニマリズムを融合させたニューモデル「SMOOTHER」(4万8600円)。このデザインのために開発したラスト(木型)は、かかとまわりのグリップ性と足先の適度なゆとりが特徴だとか。もちろんビジネスにも使えるが、オフに活躍する1足だろう
ダイヤルが甲部分についているため操作しやすい。脱ぎ履きが面倒なブーツこそ、Boaクロージャーシステムの本領発揮!
ウイングチップ、デザートブーツともに、ソールにはグリップ力に優れたビブラム社製「VIBRAM Eton」を採用。返りが良く、長距離歩行にも適している

簡単かつスマートなフィッティング&着脱を実現

以上、Boaクロージャーシステムを搭載したハイテク革靴を紹介したが、ご覧いただいた通り、ビジネスでも使えるクラシックなデザイン。最先端のファンクションを備えながらも決してキワモノではなく、エレガントな雰囲気すら漂わせている。

繰り返しとなるが、ビジネスシューズにおいてもフィット感は最重要ポイントになる。いちいち靴ひもを結び直すのが面倒なら、フィッティング調整が容易なBoaクロージャーシステムに頼るのもいいだろう。脱ぎ履きする姿もスマートなので、靴を脱がなくてはならない飲み会などでも好印象をもたれるはず。革靴だからといって履き心地を犠牲にせず、しっかり地に足がつくシューズ選びで仕事の効率をアップしたい。

(ライター 津田昌弘)

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