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デジタル・フラッシュ

スマホ用Windows、オフィスやPCとの連携で優位

日経トレンディネット

2016/4/1

日経トレンディネット

Windows 10 Mobileの使用感をAndroid(アンドロイド)スマートフォン(スマホ)やiPhoneと比べながら、3本の記事でくわしく解説する。2本目の本記事ではブラウザーや地図、オフィス・アプリ、パソコンとの連携について見ていこう。

■HTML5準拠、高性能になったブラウザー

Windows 10の目玉の1つは、ウェブブラウザーが従来までの「Internet Explorer(IE)」から新しい「Microsoft Edge(Edge)」に変わった点だ。

パソコンではIEでも不便を感じるケースは少なかったが、過去のスマホ用OS「Windows Phone」のIEはスマホ向けページが表示されないなど課題が多かった。Edgeになってかなり良くなった印象だ。

NuAns NEOのEdgeで日経トレンディネットを表示したところ。初期状態ではスマホ向けページが表示された
ブラウザーのウェブ標準度を測定する「Acid3」では100点を獲得。最近のブラウザーでは軒並み100点だが、Windows Phone IS12Tでは100点ではなかったのでようやくといったところ

Windows 10 MobileのEdgeは、iOSやAndroidと同様にFLASHには対応しない。だが、HTML5への対応度は高い。ブラウザーのHTML5にどれだけ対応しているかを点数で表示できる「HTML5TEST」をWindows 10スマホ(KATANA 02)のEdgeで試したところ、447点だった。iOS 9.2.1のSafariは407点、AndroidのChrome 48.0.2564.95では518点なので、447点はなかなかよい点数だ。

JavaScriptの処理も速い。近いハードウエア・スペックのAndroidスマホのChromeブラウザーと比べて遜色ない。

■スマホが生きる音声コンシェルジュ

Windows 10は音声コンシェルジュ機能「Cortana(コルタナ)」を搭載している。パソコンにもあるが、スマホのほうが便利に使える。

Cortanaは機能的にはiPhoneの「Siri」やAndroidの「Google Now」に近い。「今日の天気は」や「今日の予定は」などとCortanaに音声で質問すると、マイクロソフトの検索サービス「Bing」やスケジュール管理サービス「Outlook」などの情報をベースに回答してくれる。Cortanaに「メモを書く」と言うと、その後の音声を認識してメモアプリ「OneNote」に文字として記録する。

検索ボタンの長押しで、Cortanaの音声入力によるコンシェルジュ機能が利用できる
Cortanaの音声入力で「今日の天気は?」と聞いた画面。音声読み上げもコンピュータ感は否めないが、聞き取りやすい

面白いところでは、「おみくじ」と言うと、おみくじが表示される機能がある。Cortanaはパソコンでも使えるが、目が覚めてすぐベッドのなかでその日の運勢を確認できるという点で、スマホとの組み合わせは相性がいい。

■使い物になるようになった地図アプリ

日本で人気の地図サービスといえば「Googleマップ」だ。アップルは以前、GoogleマップをiOSで採用していたが、2014年に提供開始したiOS 8から独自の地図アプリ「マップ」となった。当時、特に日本ではその機能の低さが話題となった。

マイクロソフトも、Windows Phone時代の日本の地図は品質が低かった。だが、今回のWindows 10 Mobileでは、Googleマップが使っているのと同じゼンリンの地図情報を用い、ルート案内などのナビゲーションにも対応するなど、かなり使えるようになった。ルート案内では電車の乗り換えや徒歩、自動車に対応する。

NuAns NEOでWindows 10 Mobileの標準地図アプリ「マップ」を利用しているところ。当然ながらGPSで現在地も測位可能
意外と使えるのがマップのルート案内だ。Googleマップにはカーナビのような機能が搭載されているが、「マップ」にはそういった機能はない。しかし、電車の乗り換えや徒歩、自動車のルート案内は可能だ

iOSの場合、グーグルが提供しているGoogleマップアプリを使う方法もあるが、Windows 10 Mobile向けにはGoogleマップも含めてほぼGoogleのアプリは提供されていない。標準のマップアプリが使いものになるかどうかは非常に重要だ。

OSリリース時点でこのクオリティーなら、今後のアップデートでかなりいいものになることが期待できる。

■機能充実した純正オフィスアプリ

Windows 10 Mobileの最大の強みは、ワードやエクセル、パワーポイントといったマイクロソフト・オフィスの純正アプリが使える点だろう。最近ではマイクロソフトはiPhoneやAndroidにも無料でオフィスアプリを提供しているが、今後も無料で使い続けられるかは、マイクロソフトのさじ加減次第だ。

オフィスの各アプリは、すべて機能を簡略化したモバイル版となっているが、かなりの機能を持っている。たとえばワードなら文字修飾や画像挿入などの編集だけでなく、編集履歴の記録などもできる。ほとんどの用途で問題なく使えるだろう。

エクセル文書をWindows 10 Mobileで表示した画面。基本的な表計算には対応しているが、残念ながらマクロには対応していない
パワーポイントで資料を表示した画面。Windows 10スマホのContinuum機能を使えば、会議室の大型テレビやプロジェクターなどで簡単にプレゼンテーションを映し出せる

加えて、マイクロソフトではオフィス・アプリとクラウドの連携を強化している。Windows 10スマホからクラウドストレージサービス「OneDrive」などに手軽にデータをアップロードできるほか、出先のパソコンにオフィスソフトがなくても、ブラウザー版オフィスを利用することでシームレスに作業が進められるようになっている。

■パソコンとの親和性は高い

Windowsパソコンを使っている人なら、Windows 10スマホとの連携機能によって、より便利に使える。

分かりやすいところでは、どちらのWindowsにも「Microsoft 映画&テレビ」や音楽アプリ「Groove ミュージック」、ゲームアプリ「Xbox」などがプリインストールされており、Microsoftアカウントにログインしていれば購入したコンテンツを共有できる。

Windows 10 Mobileの「映画&テレビ」アプリ。Windowsパソコンに取り込んだ動画データは、Windows 10スマホにも手軽に転送可能

音楽や動画などをパソコンからスマホに転送するのも簡単だ。映画&テレビやGrooveなどのアプリでも可能だが、USBケーブルで接続すれば、パソコンからエクスプローラを使ってコピー&ペーストできる。パソコン操作に慣れている人なら、このほうが簡単だろう。スマホにもエクスプローラと同じような操作性の「ファイル」アプリがある。

SBケーブルでWindows 10スマホを接続し、データ転送で「はい」を選ぶと、Windowsパソコン側には「Windows phone」として認識され、内蔵ストレージやmicroSDカードのデータをやり取りできる
Windows 10 Mobileのファイルは、エクスプローラに似た操作性でファイルの操作ができる。Androidにもそれぞれ似たような機能が用意されているが、Windowsと同じ操作で扱えるメリットは大きい

このほか、Windows 10スマホの着信をパソコンで受ける機能や、パソコンからWindows 10スマホのテザリングのオン・オフなどができる機能も用意している。これらの機能はiPhoneやAndroidでもアプリなどで実現可能だが、Windows 10スマホにはパソコンとスマホのOSを一緒に開発しているという強みがある。連携機能では、マイクロソフトが優位と見ていいだろう。

(ライター memn0ck)

[日経トレンディネット 2016年2月25日付の記事を再構成]

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