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龍馬の参謀力

将来が見えない時代を「龍馬の参謀力」で切り開け!

西村克己 ナレッジクリエイト代表取締役、日経ビジネススクール講師

2016/4/6

PIXTA

 なぜ今、龍馬を学ぶべきか?

 現在と幕末には、大きな共通点があります。それはグローバル化の潮流により、今までの価値観が通用しなくなったことです。絶対に大丈夫といわれていた金融機関の破綻、超優良企業の経営危機、M&Aによる経営主導権の奪い合いなど、価値観の崩壊によって将来の見通しがたたない時代になりました。このような時代を生き抜くためには、坂本龍馬がもつような「参謀力」が不可欠なのです。

 幕末と現在の相関は?

 坂本龍馬は幕末を駆け抜け、そして明治維新を目前に、33才の若さで暗殺されました。龍馬は、現代の経営者やビジネスパーソンが学ぶべき多くの参謀力を身につけていました。参謀力とは、「組織を有利に戦わせるための作戦や計画を立てて、将来を切り開く力」です。龍馬の参謀力とは何だったのか? 32回のシリーズを通じて、ひもといていきたいと思います。

 ではなぜ今、龍馬なのでしょうか。それは、幕末と現在が、非常によく似た経営環境だからです。幕末と現在とでは、大きく4つの共通点をあげることができます。

 1つめは「先が見えない」という点です。世界経済の動向が未知数で、中国経済の動向ひとつで、世界的な経済不況のリスクをはらんでいます。

 2つめは「変化が速い」ことです。インターネットをはじめとする情報社会は、情報流通のスピードを上げ、世の中の変化のスピードも上げました。幕末においては、ペリーの黒船をはじめ、諸外国が開国を迫るなか、日本国としての早急な対応が待ったなしで求められていたのです。

 3つめは「グローバルの時代」です。江戸時代の鎖国によって、日本は世界の文明の発展から取り残されていました。そこに開国というグローバルへの転換が求められてきたのです。現代の日本は、携帯電話がスマートフォンに駆逐されたように、ガラパゴス化のリスクをはらんでいます。グローバル化への対応の真価が問われている時代です。

 4つめは「力関係(自由競争)の時代」という点です。幕末においては、軍事力がある国が航海術を使って武力で属国(植民地)を支配していました。軍事力がある国が、富を奪い取る時代だったのです。現代では、自由競争によって、経済力がある国が富(利益)を得る時代です。まさに自由競争による大競争時代なのです。

 もしも龍馬がいなければ、日本は欧米諸国の属国(従属国/植民地)になっていたかもしれません。龍馬は長州や薩摩などの藩ではなく、日本国として世の動きを捉えていたのです。日本国が欧米の支配下から逃れるために、自らの頭で考え、そして行動したのです。龍馬の存在抜きに薩長同盟は成り立たず、日本は内部分裂により2カ国以上の支配下に置かれていたことでしょう。

「龍馬の参謀力」は毎週水曜更新です。次回は4月13日の予定です。
西村 克己(にしむら・かつみ)
ナレッジクリエイト代表取締役、日経ビジネススクール講師
 1982年東京工業大学大学院経営工学科修了。富士フイルムを経て、90年に日本総合研究所に移り、研究事業本部主任研究員として経営コンサルティング、社員研修会などを多数手がける。2003年から芝浦工業大学大学院教授を経て08年客員教授。現在、昭和ホールディングス社外取締役、株式会社ナレッジクリエイト代表取締役。専門分野は、経営戦略、戦略思考、プロジェクトマネジメント、ロジカルシンキングなど。
 著書は『持たないで儲ける会社』(講談社+α新書)、『1分間ドラッカー』『1分間コトラー』『1分間ジャック・ウェルチ』(以上、SBクリエイティブ)、『ゼロから始めるプロジェクトマネジメント大全』(大和書房)『問題解決フレームワーク44』『戦略決定フレームワーク45』(学研パブリッシング)、『ポーター博士の「競争戦略」の授業』(かんき出版)など120冊を超える。

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