平康 慶浩 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント

平康 慶浩 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント

係長に昇進するのは若干遅くなり、課長に昇進するのは少し早くなっている。その理由は実は同じところにあります。

係長に昇進するのが遅くなっている、というだけだったら、それはポスト不足だと考えられるでしょう。少子高齢化によって、年寄りに対して若者が多いからポストにはすでに誰かがいる。その人たちが退職しない限りポストにつけないから、昇進が遅くなる、というのはわかりやすい理由です。

でもそれだと、課長に昇進するのが少し早くなっている、ということに説明がつきません。

バブル後も残っていた年功が昇進基準から消えてしまった

係長昇進が遅くなり、課長昇進が早くなる。統計データをそう読むこともできるわけですが、昇進がピークになる年齢は係長も課長も40代前半です。

ということは?

昇進できるタイミングが来たとき、優秀な人はさっさと課長になってしまっているのです。そして課長になれなかった人が係長になっているのです。

中・小企業でその傾向が強いのは、誰も彼も係長に昇進させて給与を増やす、という年功的な人事処遇に耐えられなくなっているからです。それよりも優秀な人だったら早く役職者にして活躍してもらう方がいい。そう考えるようになっているのです。

そのことは人事評価制度にもあらわれています。

私は人事コンサルタントとして、会社の中の評価制度や報酬制度を設計しています。その中にどんな条件が整えば昇進できるのか、という昇進基準の設計も含まれています。

その基準の中から社歴が消えていっています。以前なら、入社何年目に昇進できるチャンスを与える、というような内容が盛り込まれることが多かったのですが、今そういう内容を盛り込むのは新卒からせいぜい3年目くらいまで。それから先には、社歴が何年だからそろそろ出世させよう、という基準を残すことがなくなっているのです。

結果として、優秀な成績を達成したり、将来が期待されたりする人ほど早く高いポジションに昇進するようになっているのです。

多くの会社にとって係長というのは年功的に誰でもなれるポジションでした。しかし年功が消えているので、誰もがなれるとしても係長に昇進するタイミングは遅くなります。

そして優秀な人であれば、係長よりもさっさと課長になってしまう。規模が小さい会社ほどその傾向が強くなっているのです

では、だから早く課長に昇進できるのだから、大企業よりも中・小企業で活躍する方がよいのでしょうか。大企業の方が中・小企業よりも年収が高い、ということは誰でも知っている事実です。でも、企業規模よりも年収に影響する大きな要素があります。このことはなぜか新卒の時点ではほとんど知らされません。次回はその、昇進と年収との関係について説明してみます。

平康 慶浩(ひらやす・よしひろ)
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。

1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年よりセレクションアンドバリエーション代表取締役就任。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。大阪市特別参与(人事)。

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