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同窓会。名刺交換で、ふと疑問を感じたことはないでしょうか。同じ大学を出た10年目社員なのに、入った会社によって肩書がかなり違う。そこに何かの秘密が隠されているような気がしたことは……。

実は出世の事情は2000年以降の15年間で大きく変化しています。その理由は少子高齢だけではありません。政治や経済の状況が変化していく中で、会社の中のあるルールが大きく変化しているからなのです。

(2)会社選びで大切なのは知名度や規模よりも○○ >>

【エピソード1】大企業の係長と中小企業の課長、どちらが出世してる?
 
 社会人10年目の同窓会。大手都銀で堅実につとめてきた僕は、懐かしい顔との名刺交換で、ふと疑問を感じた。同じ大学を出ても、入った会社によって肩書がかなり違う。そこに何かの秘密が隠されているような気がしたのだ。
 「銀行屋さん。お金借りてくれそうな人を探してるの?」
 会場のすみで名刺を扇のように広げていると、ほろ酔い加減の同期が声をかけてきた。すらりとしたワンピースがゆれた。僕は久しぶりに見た彼女の顔に思わず声をはずませた。
 「愛宕さん、来てたんだ。出版社はやめたって聞いたけれど」
 「今はフリーランスの記者。そんなことよりもさ、なんで名刺見てるの?」
 ふいに身を寄せて手許をのぞき込んできた彼女にどきどきしながら、僕は疑問を口にした。
 「名刺を見てて不思議に思ったんだ。なんでこれだけ肩書が違うんだろうって」
 僕が両手に広げた12枚の名刺には様々な肩書が記されている。課長、係長、主任、マネジャー、アシスタントマネジャー、などなど。しかし愛宕は、なんだそんなこと、というように笑った。
 「肩書きなんて会社によって違うでしょ。私が取材する人たちなんて、肩書どころか名刺の形や素材までばらばらよ」
 「記者が取材する人たちは、年齢がばらばらだろ?でも僕たちは同期なんだから。会社の違いでそんなに肩書が変わるものかな?」
 そういうと愛宕も興味をもったらしく、名刺の束を僕からとりあげた。そしておもむろにテーブルに並べ始めた。縦軸に企業規模、横軸には名刺の肩書きの違い。そうして並べてみた結果は、あまりしっくりくるものではなかった。
 「別に傾向、もないかな?」
 「いいえ……傾向はありそうじゃない? 誰でも知ってるような大企業に行った人たちはせいぜい係長か課長代理。逆に中堅や中小には、次長や課長になってる人もいるわよ」
 「じゃあ小さい会社の方が出世しやすいってことかな」
 「なんとなくそう言われるとそういう気はするけれど……でも大企業に行く方が得だって言うじゃない。出世を目指すのなら小さい会社の方がいいってことかしら?」
 「うーん、会社の大きさで出世の速度って変わるのかな。それって何か変な気もするけれど」
 「じゃあちょっと調べてみましょうか。何かの記事にできるかもしれないし」
 そう言われて思わず僕はうなずいた。もちろん、僕の疑問に答えが出るから、というだけの理由ではなく、また次に彼女に会う機会ができそうだったからだけれども。

企業規模によって昇進速度は違う?

同じタイミングで就職したけれど、数年後に会ってみたら肩書が違う、ということはよくある話です。ではその背景に、どんな仕組みがあるのでしょう。たとえば企業規模が違うと出世の速度が違うのでしょうか?

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