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オリンパスのPEN-F EVF搭載しモノクロ撮影が魅力 三井公一の最新デジカメ撮って出し

日経トレンディネット

2016/4/1

オリンパスが2016年2月26日に発売したミラーレス一眼の新製品「OLYMPUS PEN-F」。実売価格は、ボディー単体モデルが14万8000円前後、明るい広角レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」が付属する12mm F2.0レンズキットが20万8000円前後
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写真家の三井公一氏に注目の最新デジカメをいち早く試してもらい、撮って出しの実写画像を紹介する連載。今回は、オリンパスが2016年2月26日に発売したマイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼「OLYMPUS PEN-F」を取り上げる。PENシリーズの売れ筋は低価格の「PEN Lite」シリーズだが、初代「PEN E-P1」の血を受け継ぐ高性能モデルとして久々にモデルチェンジされ、写真ファンから大きな注目を集めている。クラシカルな印象を増した外観や、シリーズで初の搭載となった内蔵のEVF(電子ビューファインダー)が目を引くPEN-Fだが、注目の画質をひと足先に三井カメラマンに検証してもらった。

これまでにないファッショナブルな外観で人気を博し、「カメラ女子」の象徴的存在となったミラーレス一眼カメラとして知られるのが、オリンパスの「PEN」シリーズだ。2016年2月、20メガピクセルの高画素センサーやシリーズ初のEVFなど、数々の新しい装備や機能を搭載した「PEN-F」がラインアップに加わった。

往年のハーフサイズカメラ「オリンパス・ペンF」の名を受け継いだPEN-Fのデザインは、これまでのPENシリーズよりもクラシカルな印象が強まった。モードダイヤル、前ダイヤル、後ダイヤル、露出補正ダイヤルと、アナログカメラをほうふつとさせるダイヤルだらけ。いずれもやや固めの節度感があり、誤操作しにくくなっている。今回は、シルバーの12mm F2.0レンズキットを使用したが、首から提げて歩いていると多くの人の注目を浴びた。やはりデザインが目を引くのであろうか。

PENシリーズの特徴的な軍艦部のラインを継承しつつ、全体は直線基調のシャープなラインに仕上げた。レンズマウントの左上にあるのがクリエイティブダイヤルだ
PENシリーズでは初めてEVF(電子ビューファインダー)を内蔵した。背面の液晶モニターはフリーアングル式を採用し、縦位置でも可動式のメリットが享受できる

上部は真円形のダイヤル類で埋め尽くされている。左端の電源スイッチも円形のものを採用した。右端には露出補正ダイヤルを新設した

ただ、気になったこともある。このシルバーがとてもよく光を反射するのだ。晴天時に軍艦部のモードダイヤルが陽光を反射して見づらく感じたのと、ショーウィンドウの撮影時にはカメラがはっきりと写り込んでしまうことがあった。お洒落な色だが、ガシガシと写真を撮る人にはやはりブラックがオススメだ。

20メガピクセルに高画素化された撮像素子は、木々の先まで繊細な描写を見せる。初搭載されたEVFは、構図をしっかりと決めたい際に有効だ(ISO200、1/8000秒、F2.0)
コンパクトでお洒落なデザインのPEN-Fは、ブラブラと散策しながらの撮影を楽しくしてくれる。短い単焦点レンズを装着して歩く分にはいいが、全長があるレンズを装着するとバランスが悪くなるので注意が必要だ。長いレンズを使う際は、ぜひ外付けグリップを装着したい(ISO200、1/160秒、F8.0、-1.3補正)
フォーカススピードもまずまずだ。ゆっくりとした動体なら満足できる正確さである。PEN-Fは、じっくり、ゆっくりと街歩きをしながら撮影を楽しむカメラだろう(ISO200、1/320秒、F7.1、-1補正)

■EVFとフリーアングル液晶で快適

PEN-Fの大きなトピックは、ついにEVFが内蔵され、ファインダーをのぞいて撮影することが可能になったことだろう。被写体とフレーミングにより集中できるようになったので、これは大歓迎だ。背面の液晶モニターはフリーアングル&タッチパネル化され、自撮りも可能になった。これは、カメラ女子にはうれしい機能に違いない。「OM-D E-M10 Mark II」に引き続き、EVFをのぞきながら液晶モニターをタッチすることでAFエリア選択ができる「AFターゲットパッド」にも対応した。パナソニックのLUMIX Gシリーズにようやく追いついた形となる。

撮像素子も、パナソニックの「LUMIX GX8」に続いてようやく20メガピクセル化された。これにより、連写した画像をカメラ内で合成して高解像度な写真を作るハイレゾショットも、従来の40メガピクセル相当から50メガピクセル相当になった。ただ、この機能は仕組み上、被写体をかなり選ぶ。静物や建築など、フレーム内に動くものがない場合に限られる。そういった被写体の撮影では大きな威力を発揮するだろう。もちろん、しっかりとした三脚が撮影に必須なのはいうまでもない。

通常撮影
50Mハイレゾショットで撮影

フリーアングル式の液晶パネルは、特にローアングル撮影で威力を発揮した。もちろん、ハイアングルや縦位置でも活躍するのがフリーアングル方式のいいところだ。タッチシャッターも可能なので、撮影も楽チンだ(ISO200、1/3200秒、F2.0)
20メガピクセルに高画素化された撮像素子だが、高感度特性もやや向上したと感じる。ISO1600から3200までなら、サイズにもよるが問題なく使えるだろう。それ以上は緊急用といったところだろうか。ISO25600で夜の博物館を撮ってみたが、Webに掲載するSNSなどの用途なら何とか使えるかも(ISO25600、1/250秒、F6.3、-0.3補正)

■前面のクリエイティブダイヤルが便利

PEN-Fのこれまでにない特徴が、ボディー前面の一等地にクリエイティブダイヤルという専用のダイヤルが設けられたことだ。これは「モノクロプロファイルコントロール」「カラープロファイルコントロール」「アートフィルター」「カラークリエイター」という4つの専用機能を呼び出すもので、PEN-Fの大きなウリとなっている。例えばモノクロプロファイルコントロールは、カラーフィルター効果やシェーディング効果、フィルムの粒状感を設定でき、かつてのフィルム写真のような味のあるモノクロ写真に仕上げられる。

お洒落なデザインに、高性能の上位シリーズ「OM-D」を軽く越える性能を搭載した「PEN-F」。発売日前から、カメラ量販店ではかなりの予約が入っていたと聞く。春には、多くのカメラ女子が首から提げているシーンを目撃できそうだ。

モノクロプロファイルコントロールは、前ダイヤルと後ダイヤルのコンビネーションでさまざまな設定変更が可能だ。ただ、とっさの設定変更は難しいので、あらかじめテストをして撮影に臨みたい(ISO200、1/1600秒、F8.0、-1補正)
クリエイティブダイヤルをひねり、モードダイヤル下部にあるレバーを操作して、モノクロームのトーンとシェーディング機能を使った。何回もシャッターを切り、効果の変化を確認しながら絵作りを楽しめる(ISO200、1/40秒、F8.0、-0.3補正)
オリンパスのお家芸ともいえるアートフィルターは、クリエイティブダイヤルで設定するようになった。ワンタッチで大胆な表現に切り替えられる(ISO200、1/320秒、F2.0)
前面のクリエイティブダイヤルをひねるだけで、モノクロとカラーのプロファイル、アートフィルター、カラーコントロールを変更できる。アートフィルターの「ポップアート」で鮮やかさを増してみた(ISO200、1/800秒、F7.1)
三井公一(サスラウ)
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。著書にはiPhoneで撮影した写真集「iPhonegrapher―写真を撮り、歩き続けるための80の言葉(雷鳥社)」、「iPhone フォトグラフィックメソッド(翔泳社)」がある。

[日経トレンディネット 2016年2月23日付の記事を再構成]

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