ピン芸人、横澤夏子が急上昇 女子あるあるネタで熱演
友人と会話、アイデアに
ピン芸人・横澤夏子への注目度が高まっている。昨年後半からジワジワきていたなか、12月放送の『ものまねグランプリ』(日テレ系)で合唱コンクールを目前にした音楽の先生のモノマネで優勝。指導に熱が入るあまり、気がつけばトゥーマッチになってしまう様子を描写して爆笑を巻き起こした。「大空イメージしてっ!」など、「こんな先生いるいる」と思わせる熱演は審査員の心をガッチリとつかんだ。
バラエティー界では遅咲き芸人が躍進しつつある昨今、横澤は90年生まれの25歳と、若くして頭角を現している。かねてより『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジ系)の人気企画「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」に出演していたほか、昨年3月には所属事務所の劇場「ヨシモト∞ホール」の700組の中でTOP3に選ばれるなど、お笑い好きの間ではよく知られる存在だった。
芸人を目指したきっかけは、タカアンドトシだった。
「中学の終わりぐらいに、あるイベント会場で何万人も笑わせているタカアンドトシさんをテレビで見て衝撃を受け、ルミネtheよしもとに見に行くようになりました。もともと目立ちたがり屋で小・中・高と生徒会長だったこともあり、有名になりたいという延長線上でこの道に進んだ感じです」
得意とするのは「鍋を囲んだ女子会」など、女性ならではのシーンを一人芝居で演じるネタだ。ネタ作りの土台は、人と会って話をすること。
「ネイリストの同居人からは何十本もネタをもらっていますし、養成所時代に同期だった元おかずクラブの子と仲がよくて、今でも月イチで会っています。"中免取った"とか、"システムエンジニアと付き合ってる"とか、ネタになりそうなことを会うと必ず3つはくれるんです(笑)。自分の知らない世界の話には面白いと思えることがたくさんある」
友近や柳原可奈子など、この手のネタをやってそうな女性芸人はすでにいる。そんな先輩との違いについては、「私が演じているキャラクターは、どこかに自分が反映されていたり、自分そのものだったりする。あとは、なにより顔自体が身近なところ」と笑う。
活動のモチベーションになっているのは"地元の友達"だ。
「誰々が化粧品会社の副店長になったって話を聞いたら、私もあの番組に出なきゃって思ったり、地元の友達に勝ちたいという気持ちだけ(笑)。初めて"細かすぎて~"に出た時は、地元のいろんな人から連絡をもらえたので、よし!と思いました」
最近はネタ番組だけでなく、トークバラエティーなど新しい仕事も増えてきた。今の目標は「"化粧品会社の副店長"に負けないくらいの肩書」だ。
ゆくゆくはワイドショーで家庭内の愚痴を相談される人にもなりたい、と等身大な発言をする一方で「朝ドラのヒロインのような人生を送りたいと思っているので、いつか朝ドラも!」と夢は尽きない。その持ち前の明るさで多くの人に愛されていきそうだ。
(「日経エンタテインメント!」3月号の記事を再構成。敬称略、文・遠藤敏文/写真・中村嘉昭)
[日経MJ2016年3月25日付]
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